ウェブサイトやアプリの多言語化サービスを提供するWovn Technologies(ウォーブンテクノロジーズ)は6月5日、第三者割当増資と銀行などからの融資をあわせ、総額約14億円の資金調達を実施したと発表した。
Wovn Technologiesが提供するのはウェブサイトの多言語化サービス「WOVN.io(ウォーブンドットアイオー)」と、アプリの多言語化に対応した「WOVN.app(ウォーブンドットアップ)」だ。
WOVN.ioは既存の1言語のサイト・アプリがあれば、簡単に多言語化できるというソリューション。詳しい仕組みについては過去の記事を見てもらえればと思うが、言語ごとに別サーバーやページを用意することなく、最大で40カ国語に翻訳が可能で、システム開発やサイト運用、翻訳にかかるコストを削減することができる。
今回の第三者割当増資の引受先は、Eight Roads Ventures Japan、NTTファイナンス、オプトベンチャーズ、近鉄ベンチャーパートナーズ、マイナビ、OKBキャピタルの各社だ。
Wovn Technologiesは資金調達により、サイトやアプリを通じた顧客企業の海外戦略をサポートする専任チームを強化する予定だ。同社代表取締役社長の林鷹治氏によれば「一口に多言語化といっても各社、目的はいろいろ」とのこと。「越境ECの商品説明、インバウンド向け旅行会社のツアー紹介、交通機関の安全への取り組みなど、それぞれの企業が目指す外国人戦略について、コンサルティングというよりは併走して支援していく体制を強化したい」(林氏)
また1万5000サイトへと導入が進む中で、大規模サイトや大手企業による利用も増えているというWOVN.io。Wovn Technologiesでは、大規模サイトのための機能開発や、AIによる翻訳業務効率化のための研究なども進めるという。
「我々は、『インターネットをローカライズする世界的な黒子企業』を目指す」という林氏。近日中に、多言語化に関わる新しいサービスの発表も予定しているということだったので、引き続き注目したい。
Wovn Technologiesは2014年3月の設立。これまでに、インキュベイトファンドからの総額約3000万円のシード投資をはじめとして、2015年9月にオプトベンチャーズ、ニッセイ・キャピタルから1.3億円、2016年12月にはSBIインベストメントや凸版印刷などから3億円を資金調達している。今回の調達を含め、創業以来の累計調達額は約20億円となる。