Samsung(サムスン)は、CES 2021で行った数々の発表に続き、米国時間1月14日に開催した「Unpacked」イベントで、「Galaxy SmartTag(ギャラクシー・スマートタグ)」と名付けられた新しいBluetooth位置情報デバイスを発表した。これはSamsungオーナーのための紛失物発見用ビーコン(無線標識)で、Tile(タイル)の競合製品となる。TileやApple(アップル)から近々登場が噂されている「AitTags(エアタグ)」と同様、Galaxy SmartTagは鍵やバッグ、ペットの首輪など、どこにあるのか見つけたい物に取りつけることができる。最初に発売されるSmartTagはBluetoothを使って近くにあるSamsungのデバイスと通信を行うが、2021年後半には超広帯域無線通信(UWB)を使ったSmartTag+と呼ばれるバージョンも発売予定であることを、同社は認めた。
SmartTag+は、AppleのiPhone 11シリーズ以降のモデルに搭載されているUWBを利用することが予想されるAirTagsと、より競合することになるだろう。Tileはこのニュースを見越して、すでにUWBを採用した新型のトラッカー(位置情報検知デバイス)を開発しており、2021年後半にはこちらも発売される見込みだ。
14日に発表されたGalaxy SmartTagはBluetoothを利用する製品で、仕様は1種類のみ。つまりサイズや性能が異なる仕様はラインナップされていない。ただし、本体カラーはブラックと「オートミール」と呼ばれる白に近い色の2色から選べる。
Samsungの担当者によれば、Galaxy SmartTagは、Android10以降を搭載する同社のGalaxyデバイスならどれと組み合わせても使用可能だという。
Galaxyデバイスの所有者は、Samsungの「SmartThings Find」アプリを使って、SmartTagを取りつけた行方不明のアイテムを見つけることができる。
Galaxy SmartTagは、Tileや他のBLE(Bluetooth Low Energy)トラッカーと同じように動作する。SmartTagがオフライン時、つまりGalaxy S21などのデバイスと接続されていないときは、近くのGalaxyデバイスで検出できるBLE信号を送信する。Galaxyデバイスが検出すると、SmartTagはSmartThings Findアプリに位置情報を送信するので、これが取りつけられたアイテムの場所をアプリで知ることができるという仕組みだ。Samsungによると、SmartThings Findのユーザーデータは暗号化されて安全に保護されているため、アプリを使って紛失したアイテムのSmartTagを検索しても、位置情報や個人情報は安全だという。
またこのアプリでは、「見つかったら通知」するだけでなく、「近くを検索」「検索」「音を鳴らす」など、アイテムを見つけるための様々なツールを提供する。Tileと同様に、SmartTagはどこに置いたかわからなくなったスマートフォンを探すために使用することも可能だ。この場合はSmartTagのボタンを2回押せば、スマートフォンから音が聞こえてくるので、その場所をたどればスマートフォンを見つけることができるだろう。
Galaxy SmartTagは、ボタンを1回押すと他のことを行うように、カスタマイズすることもできる。たとえば帰宅した際に持ち物に取りつけているSmartTagのボタンを押せば、簡単に照明やテレビをつけるといったことが可能だ。
発表に先立ち配布された資料によると、Galaxy SmartTagはTileのトラッカーよりやや厚みがあり、CR2032セル電池で作動し、Bluetooth接続することがわかった(実際にユーザーが交換可能なCR2032電池が使われていることを、我々は確認した)。
Samsungの担当者は、発表前に公式の詳細な技術仕様を我々に提供しなかった。後ほど、詳細が明らかにされたら記事をアップデートしたい。通信可能範囲などの詳細がわからないと(訳者注:公式サイトによれば、通信範囲は120m以内とされている)、市場で販売されている他社のトラッカーと適正な比較をすることは難しい(リークされた情報は必ずしも最終的な製品を示すものとは限らないので、それだけで判断することはできない。とはいえ、規制当局に申請された書類は、最初の参考材料にはなるだろう)。
Samsungは発売前にキャンペーンを介して、この新型トラッカーの普及を促進させようとしている。米国で1月14日から28日までの間に「Galaxy S21 Ultra」を予約すると、200ドル(約2万800円)分のSamsung Creditに加えて、Galaxy SmartTagを1つ無料でもらうことができる。これはサムスンが今まで紛失物発見ガジェットに対して行った投資を、少しでも回収するのに役立つだろう。同社は2018年にLTEを使った「SmartThings Tracker」を発売したものの、人気を博したとはいえなかった。
このキャンペーン以外では、Galaxy SmartTagは1個29.99ドル(約3100円)という価格で、1月29日から米国で販売が開始される。
価格は、Tileが販売しているエントリーレベルのBluetoothトラッカー「Tile Mate(タイル・メイト)」の24.99ドル(約2600円)と比べると、やや高い。
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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Samsung、CES 2021、トラッカー
画像クレジット:Samsung
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(翻訳:TechCrunch Japan)