CESは一般的に、あまり携帯電話の展示会ではない。それは、今から1〜2カ月先にあるモバイルワールドコングレス(MWC)に備えて目玉となるモバイルニュースを保存する傾向があるSamsung(サムスン)にとっては間違いなく言えることだ。代わりにこのイベントは、どちらかというとテレビ、洗濯機など、大きな製品が対象となる。
しかし、過去数年間、この家電製品の巨人は同社のフラッグシップSシリーズの発売の直前に、格安フラッグシップを発表するための舞台としてこのショーを使用している。長年にわたり、Samsungは、これまで「Lite」をはじめ、さまざまな製品名を考えてきたが「Fan Edition」の略である「FE」に落ち着いた。どうやら2021年の端末が、同社にとって大きな成功だったようだ。「2020年第4四半期の発売以来、Galaxy S20 FEは1年ほどで1000万台を販売し、過去1年間でSamsungの最も売れたGalaxyスマートフォンの1つとなった」と記されている。
結局のところ「Lite」というネーミングは、スペック的に「〜以下」という事実に繋がってしまうという考え方に行き着いたのだろう。つまり、これらのデバイスを一種のファンサービスと位置づけ、高価格帯のデバイスの豪華さの一部を提供しながら、コストを抑えるという名目で出血の一部を鈍化させているのだ。
今回発表されたGalaxy S21 FE 5Gの場合、開始価格は699ドル(約8万1200円)だ。これは、同社が2021年のS20で打ち出した価格帯と同じであり、手頃な価格のフラッグシップ機のトップに躍り出たGoogle(グーグル)のPixel 6よりも100ドル(約1万1600円)高い(ここでフラッグシップと格安の定義の区別が曖昧になってしまったら申し訳ない)。
「我々はGalaxy S20 FEとGalaxy S21のラインナップに信じられないほどの反響を得ました」と、SamsungのTM Roh(TM・ロー)氏はリリースで述べている。「だから我々は、S21 FE 5Gと同じアプローチを適用し、我々の忠誠なGalaxyのファンに最も重要なプレミアム機能を搭載しました。なぜなら、我々は彼らにとって最も重要なニーズを満たしているスマートフォンを提供することに焦点を当てているからです」。
この端末は、120Hzのリフレッシュレートを持つ6.4インチのディスプレイを搭載し、その後継となるSnapdragon 8 Gen 1がXiaomi(シャオミ)などの企業のフラッグシップ機に搭載され始めている中、Qualcomm(クアルコム)のSnapdragon 888プロセッサが搭載されている。1200万画素のメイン、3200万画素の超広角、1200万画素の望遠のトリプルカメラシステムを搭載している。さらに6GBまたは8GBのRAMと、128GBまたは256GBのストレージ、そして4500mAhのしっかりしたバッテリーも搭載されている。もちろん、その名のとおり5G対応だ。
デザインは標準的なS21から多くのヒントを得ているが、高級感があった造りは、より低価格のプラスチック製に変更されている。S21 FEは1月11日から出荷が開始される予定だ。
画像クレジット:Samsung / Getty Images
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(文:Brian Heater、翻訳:Akihito Mizukoshi)