企業ITのクラウド化をいろんな面からサポートするPlatform9の新製品Fission Workflowsには、あなたのお好きなバズワードがすべて揃っている。Kubernetes、Dockerのコンテナ、そしてサーバーレスコンピューティング。しかもそれは、これらの技術の、必然的な次のステップのようだ。
Platform9のプロダクトとしてのFission自体は、コンテナオーケストレーションサービスKubernetesの上で動くオープンソースのサーバーレスコンピューティングプラットホームだ。サーバーレスアプリケーションは、その初期のころはもっぱら、何かのイベント(“ファイルがアップロードされた”など)にトリガされる小さなファンクションを作ることだった。しかしFission Workflowsの提供意図は、もっと複雑なサーバーレスアプリケーションの開発を支援することだ。
Workflowsは、サーバーレスのファンクション〔複数形〕のオーケストレーションを助ける。サーバーレスアプリケーションが複雑になればなるほど、使用するファンクションも多くなり、それらお互いに依存関係のあるファンクションの管理やアップデートが難しくなる。同時にまた、アプリケーションのモニタリングやトラブルシューティングも難しい。
Platform9のソフトウェアエンジニアでFissionを作ったSoam Vasaniによると、Fissionは、デベロッパーがKubernetesをもっと楽に使えるようにしたい、という願いから生まれた。 “Fissionがないころは、うちの顧客たちはKubernetesを使いこなせるまでに数週間もかかることが多かった”、と彼は語る。しかし今では、彼らは一時間ぐらいで彼らの最初のFissionのファンクションを動かせるようになる。そして、Fission Workflowは次の問題に取り組む: サーバーレスのアプリケーションがシンプルなファンクションから本格的なアプリケーションに成長するとき、何が起きるのか。
Fission WorkflowsはKubernetesの上で動くので、どんなクラウドでも、プライベートなデータセンターでも、あるいはデベロッパーのラップトップ上でローカルにも、動かせる。デベロッパーは自分のアプリケーションをPython, NodeJs, Go, C#, PHPなどで書く。
しかしFission Workflowsには、Microsoft Flowのようなドラッグ&ドロップのインタフェイスがない。今のところデベロッパーは自分たちのワークフローを手書きしなければならないが、Platform9のCEOで協同ファウンダーのSirish Raghuramによると、そのうちWorkflows用のビジュアルエディターを作るそうだ。ただし、現在すでに、ワークフローを視覚化するツールはある。
Fission本体と同様に、Workflowsも完全なオープンソースにする予定だ。Raghuramによると、同社のビジネスプランは、そのオープンソースのフレームワークを顧客にサービスとして提供するときに課金することだ。今すでにKubernetesとOpenStackに関してはその方式だが、Fissionもいずれそのポートフォリオに加わるだろう。ソフトウェアそのものは今後もずっとオープンソースで、オープンコアやフリーミアムモデルに移行するつもりは、まったくない。