Xataをご紹介しよう。同社は、これまでにない新しい角度からマネージドデータベースに取り組んだスタートアップだ。同社はあなたのデータベースをあなたに代わって動かし、それをAPIに変えるので、データベースのクエリやアップデートをサーバーレスのアプリケーションから行える。Xataはこの度、500万ドル(約5億5000万円)の資金を調達した。プロダクトはまだ十分に成熟していないが、同社はその詳細をすでにシェアしている。
XataはJamstackのウェブサイトに特に合ってるように思われる。Jamstackは、大規模なウェブサイトを開発しデプロイするための方法として、よく使われてきた。よく知られているJamstackのホスティングプラットフォームは、NetlifyやVercelそしてCloudflare Pagesなどだ。
アプリケーションはグローバルなエッジネットワーク上にデプロイされ、ロジックはもっぱらAPI呼び出しが扱う。その結果ウェブサイトないしウェブアプリケーションはロードが速くて大量のトラフィックを扱える。
JamstackのウェブサイトはGitのリポジトリとタイトに統合されていることが多いため、デプロイがとても簡単だ。コードの変更をコミットしたら、サーバーレスのプラットフォームがアプリケーションのデプロイをやってくれる。APIベースのデベロッパーツールの統合は比較的楽だし、ロジックを自分で管理しなくてもよい。
たとえば静的なコンテンツとStripeのチェックアウトモジュールのあるウェブサイトをデプロイするなら、決済のサーバーはあなたに代わってStripeが管理する。しかしそこに、ライブのデータベースとそれとの対話が加わると、複雑な仕事になる。従来的なデータベースは、行を1行加えるだけでもインターネット上でAPI呼び出しに頼ろうとしない。複数の行を探索してデータを見つけるなら、なおさらだ。
Xataはデータベースに注力して、データベースをユーザーのサーバーレスアプリケーションに容易に統合できるようにしたい。データベースのスケーリングもXataが行うため、ユーザーはインフラストラクチャーを気にする必要がない。ソフトウェアのアップデートや、新しいサーバーへのデータの移動なども同じくだ。
データベースは通常、応答時間を速くして冗長性を持たせるために複数のデータセンターに分散している。画像も含めて、サポートするデータ型はとても多い。それでいてXataでは、データベースとの対話はまるでそこらのRESTful APIのようにに行われる。
同社はまた、Airtableのようなよく使われているノーコードのスタートアップからもヒントを得ている。データベースをウェブブラウザの中で開いて、データとの対話は直接そこから行なう。例えばカレントビューをフィルターし、特定の基準でデータをソートし、そして自分のコードで使えるAPIのクエリを得る。
データベースに大量のデータがあるなら、それらをフリーテキスト(無定型な自由文)検索機能で検索できる。また、Xataをアナリティクスに使ってチャートや視覚化を作ることもできる。
ウェブブラウザからデータと対話できる能力が、Xataの強みだ。今は、新しいプロジェクトのプロトタイプを作るときに、最初のバックエンドとしてAirtableに頼る企業が多い。しかしXataはそういうAirtableアズアバックエンド型のデータ管理モデルで、プロダクション(本番)にも対応したバージョンになれる。
500万ドルのラウンドはIndex Venturesがリードした。Operator CollectiveとSV Angel、そしてX-Factorのfirstminute Capitalが参加した。また当業界のエンジェルとして、ElasticのShay Banon氏とUri Boness氏、ConfluentのNeha Narkhede氏、VercelのGuillermo Rauch氏、 Color GenomicsのElad Gil氏、NetlifyのChristian Bach氏とMathias Biilmann氏が投資した。
同社の創業者はMonica Sarbu(モニカ・サルブ)氏だ。彼女はElasticのエンジニアリングのディレクターだったため、データベースのスケーリングについては詳しいはずだ。
画像クレジット:Susan Q Yin/Unsplash
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(文:Romain Dillet、翻訳:Hiroshi Iwatani)