米議会議事堂襲撃の6日後にReuters(ロイター)が行ったインタビューで、Facebook(フェイスブック)最高執行責任者(COO)のSheryl Sandberg(シェリル・サンドバーグ)氏は5人の命が失われたこの日の悲惨な出来事における自らの会社の役割を軽視したことで不評を呼んだ。
「一連の行動が組織化された主な場所は、私たちの嫌悪行動を阻止する力が及ばず、私たちの基準が通用せず、私たちの透明性のないプラットフォームだったと思います」と当時サンドバーグ氏は語り、陰謀と暴力の民兵組織QAnon(キューアノン)の排除を試みたFacebookのごく最近の完全とはほぼ遠かった努力を自画自賛した。
米国時間3月25日の下院エネルギー・商業委員会の公聴会で、議員らは再びサンドバーグ氏の発言を追求したが、Facebookから満足のいく回答は得られなかった。
冒頭陳述でMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、米国の選挙を守るためにFacebookは「自分の役割を果たした」と述べ、一連の行動の責任をDonald Trump(ドナルド・トランプ)前大統領に負わせた。
「前大統領は自分の発言に責任を持つべきであり、法を犯した人々は自分の行動に責任を持つべきだと私は信じています」とザッカーバーグ氏は述べた。
選挙の誤情報とStop the Steal(選挙を盗むな)行動の拡散は、Faceboookに「一定の責任がある」のではないかという質問に対し、ザッカーバーグ氏は話をそらし、直接回答することを拒んだ。
「議事堂襲撃の召集、計画、実行に関してFacebookが主要な役割を果たしたことを認めることすらしない、というのはどういうことですか」とMike Doyle(マイク・ドイル)下院議員(民主党・ペンシルベニア州)が尋ねた。
再び詰め寄られたザッカーバーグ氏は、責任を転嫁した。
「責任は法を犯して暴動を犯す行動を起こした人々にあると私は思います」と彼はいう。「そのコンテンツを拡散した人々にも。大統領をはじめとするその人たちは繰り返し弁舌を弄し、選挙は操作されたといい、人々に参加を呼びかけました。彼らにも一義的な責任があると私は思います」。
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ドイル氏は納得せず、1月6日の攻撃の前にFacebook上で猛威を振るっていた危険なレトリックをFacebookが「増長した」と主張していた。ドイル氏によると、FBI(連邦捜査局)は、襲撃者がFacebookを襲撃の「勧誘、計画、実行」の各段階で使っていたことを示したことを指摘している。
Jan Schakowsky(ジャン・シャコウスキー)下院議員(民主党、イリノイ州)はサンドバーグ氏のインタビューを取り上げた。
「あなたに聞きたいのは、あの議会議事堂襲撃に至った過激な行動の扇動に関して、Facebookグループが具体的な役割を果たしたことをこの場で認める意志があるかどうかです」とシャコウスキー氏は迫った。
「シェリル(・サンドバーグ)の発言は、私たちの言おうとしていたことだと今も信じており、当時広く報じられたことについて私は責任をもちます」とザッカーバーグ氏が話し始めると、早く要点に入るようにとシャコウスキー氏は遮った。
「当社のサービスにコンテンツがあったことは間違いありません」とザッカーバーグ氏が曖昧に言った。「その意味で、私たちのサービスと会話の管理をもっと効果的にするために、まだやるべき仕事があると思っています」。
「選挙を盗むな」運動は膨大な数のFacebookグループに広がり、暴徒のリーダーたちは連絡や攻撃当日に議員を探す手段をFacebookに頼っていた。
これはFacebookにとって驚くことではないはずだが、2020年ミシガン州のGretchen Whitmer(グレッチェン・ホイットマー)知事を誘拐あるいは殺害する計画を企てた民兵組織メンバーも組織化と連絡にFacebookを使っていたことがFBIの宣誓供述書に書かれている。
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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook )