Xiaomi(シャオミ)は米国時間9月6日、同社の最も重要な市場であるインドにて、5年前にビジネスを開始して以来1億台以上のスマートフォンを出荷したと発表した。これは、調査会社のIDCによる数字を基にしている。
8四半期連続でインドのスマートフォンベンダーのトップの位置を維持している中国の巨人は、格安端末のRedmiとRedmi Noteが同国内で最も売れているスマートフォンだと伝えた。
インドは世界で最も急成長している世界第2位のスマートフォン市場であり、またほとんどの端末の価格は200ドル以下(約2万1000円)である。シャオミは高コスパなスマートフォンを提供しており、またインドでは初めから常に価格重視の市場をターゲットにしている。同社によると、販売されるハードウェア製品で5%以上の利益を設定することは決してないという。
シャオミの副社長で同社のインド事業のMDであるManu Jain(マヌ・ジャイン)氏は声明の中で、同社の今日のマイルストーンは「これは、創業以来から多くのMiファンに愛されてきた証拠だ。我々より先に市場に参入したブランドもあるが、我々が達成した驚くべき偉業からはほど遠い」と述べた。
インドだけで1億台のスマートフォンを出荷したことは、多くの市場でビジネスを展開するシャオミにとって大きな偉業である。同社は昨年、全世界で約10カ月(インドを含む)に1億台の携帯電話を出荷し、これもXiaomiの記録となった。
中国での競争が激化し、スマートフォンの出荷が世界中で鈍化または減少する中、シャオミにとって近年インドは最も重要な市場となった。同社がインドに進出した最初の2年間は、コスト削減のために主にスマートフォンのオンライン販売を利用していた。しかしそれ以降、シャオミは実店舗でのプレゼンスを確立しており、同国での販売の大半を占めている。ちなみにインドは、スマートフォンの出荷台数が伸び続けている数少ない国の1つでもある。
シャオミは先月、同社が年末までにインドにて1万店舗を設置する予定だと述べた。また同社は、それまでに店舗販売が売上の半分を占めると予想している。同社は、インドで2万人以上の雇用を創生し、その大半を女性が占めていると述べた。
スマートフォンがインドでの大きなビジネスであり続けているにもかかわらず、Xiaomiは他のハードウェア製品もインドで販売しており、現地向けのソフトウェアサービスを構築してきた。同社は投資家の役割もしており、Twitterなどから最近1億ドル(約110億円)を調達したローカルなソーシャルネットワークのShareChat、金融テックのスタートアップのKrazyBeeとZestMoney、そしてエンタメアプリ開発会社のHungamaを含む、いくつものスタートアップを支援している。
近日のTechCrunchとのインタビューで、シャオミの幹部はインドに専門のチームを作り、現地のスタートアップへの投資機会を丁寧に調査していると語った。
「これは新章の始まりにすぎず、今後も全てのMiファンのために、最高のスペックと品質、そして適正な価格で、より多くのカテゴリーと製品を提供する」と、ジェイン氏は述べている。
かつてインドのスマートフォン市場をリードしていたSamsung(サムスン)は、シャオミとの競争力を高めるため、さまざまな価格帯で数多くの端末を発売した。また、同社はインドでのマーケティング予算も増やしている。ただし、シャオミはマーケティングにほとんどお金をかけていないが、トップの座を維持している。
サムスンは10年以上前にインドに進出し、同国で1億台以上のスマートフォンを出荷したと、調査会社のCounterpointはTechCrunchに伝えている。「この偉業を達成したスマートフォンベンダーは、サムスンとシャオミだけである」とCounterpointでアナリストを務めるTarun Pathak(タルン・パタク)氏は述べた。
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(翻訳:塚本直樹Twitter)