シャオミの「Miスマートバンド5」は機能、装着性、駆動時間が絶妙な注目ウェアラブル端末

Xiaomi(シャオミ)は8月31日、Android端末、iPhoneと連携する最新スマートバンド「Miスマートバンド5」の日本発売を発表した。発売日は近日予定で価格は4490円。前モデル「Miスマートバンド4」は同社が2019年末に日本市場に参入した際に販売を開始しており、アマゾンでベストセラーを記録するなど販売が好調だ。記事執筆時点で日本におけるMiスマートバンド5の発売日は発表されていないが、個人的に購入したグローバル版でレビューをお届けしよう。

Miスマートバンド5の価格は4490円

グローバル版はメニューが日本語化されていないが、日本語を表示すること自体は可能。また技適マークもある

小型軽量ボディを継承しつつ、ディスプレイを大型化

Miスマートバンド5は小型軽量ボディ、ロングバッテリーライフを継承しつつ、画面を大型化し、充電を手軽にしたニューモデル。本体サイズは幅18.15×高さ46.95×厚さ12.45mm、重さは11.9g(リストバンドを除く)。リストバンドを含めても実測で23.2gという軽量ボディを実現している。

リストバンドの厚さは重なっている部分でも実測5.9mm前後。キーボードでタイピングしていても厚みはほとんど気にならない

Miスマートバンド4の実測重量は21.9g、Miスマートバンド5の実測重量は23.2g。重量増はわずか1.3gに抑えられている

Miスマートバンド5最大の進化点はやはりディスプレイ。前モデルの0.95インチから約20%大型化された1.1インチAMOLEDディスプレイが採用されており、画面の判読性は大きく向上している。なぜか色深度がスペックダウンしているが、画像、映像を鑑賞するわけではないので、実用上問題にならないだろう。

新旧モデルのディスプレイスペックを比較

Miスマートバンド4:0.95インチ、120×240ドット、色深度24ビット、輝度400cd/平方m
Miスマートバンド5:1.1インチ、126×294ドット、色深度16ビット、輝度450cd/平方m

写真に向かって左がMiスマートバンド5、右がMiスマートバンド4。数値的には小さな違いに思われるかもしれないが、並べて比較してみると一目瞭然の差だ

左から標準、天気、音楽、通知画面。Miスマートバンド4より縦の見通しがよくなっており、多くの情報をまとめて確認できる

ウォッチフェイスは65種類以上を用意。画面の大きさを生かし、情報量を増やしたウォッチフェイスが多くラインアップされている

もうひとつの大きな進化点はリストバンドを外さすに充電できるようになったことだ。また、磁気充電端子が採用されており、充電ケーブルを近づけるだけで本体と合体し、充電がスタートする。通常モードで14日、節電モードで20日のバッテリー駆動時間がうたわれており、頻繁に充電する必要はないが、シャオミによれば「何度も充電のためにリストバンドをはずすと緩くなってしまう」というユーザーの声を受けて改良したとのことだ。

充電ケーブルの磁気充電端子を本体裏の金属接点に近づけると、自然に本体と合体する。なお、2時間以下でフル充電が可能だ

5気圧(50m)防水、PRG心拍センサー、メモリー512KB、ストレージ16MBなどの基本スペックは同一。ただしバッテリー容量は135mAhから125mAhへとわずかに減っている。アプリは同じく「Mi Fit」を使用するが、システム要件はAndroid 4.4/iOS 9.0以降から、Android 5.0/iOS 10.0以降に変更されている。

本体裏面に配置されているPRG心拍数センサーは、Miスマートバンド4よりも精度が50%向上しているとうたわれている

ソフトウェア的にも大きく進化している。まずエクササイズモードが、アウトドアランニング、スイミング、サイクリング、ウォーキング、ランニングマシン、フリースタイルに加えて、新たにインドアサイクリング、縄跳び、ヨガ、クロストレーナー、ローイングマシンが利用可能になった。コロナ禍の時勢に合わせて、主に屋外や家庭でのエクササイズを重点的に増やしたのかもしれない。

ランニングとウォーキングは自動検知するが、そのほかのエクササイズは「Workout」から実行する必要がある

エクササイズの並び順は変更できる。ひんぱんに取り組むエクササイズを上に配置しておけば、短い画面スクロールで選択可能だ

新たな健康追跡機能としては、心肺機能と心臓の健康改善を目指す「パーソナルアクティビティインテリジェンス」(PAI)、ストレスレベルを計測する「ストレスモニタリング」、深呼吸で心と身体をリラックスさせる「呼吸エクササイズ」を実装。また、月経周期に応じて記録・通知する女性のための健康追跡機能も搭載された。特にPAIは、健康状態の改善のための具体的な活動目標を指示してくれるので、家に閉じこもりがちな筆者にピッタリな機能だ。

1週間単位で100PAIを獲得するのが最終目標。目標を達成するために、どのような運動で自分の心拍数をどのぐらい上げればいいのか、具体的に指示してくれる

左はストレスモニタリング、右が呼吸エクササイズの画面。ストレス値は心拍数変動データと「ストレスモデル」に基づいて算出される。呼吸エクササイズは、振動で深呼吸のタイミングを教えてくれる

機能、装着性、バッテリー駆動時間などのバランスが絶妙

「スマートウォッチ」としてはApple Watchのほうが画面は大きく、FeliCaによる電子決済が利用可能で、セルラーモデルなら単体で通話が可能と機能は比較にならない。しかしMiスマートバンド5は、手首に装着するウェアラブルデバイスとして、機能、装着性、バッテリー駆動時間などのバランスが絶妙だ。

スマートフォンを取り出さずに可能な限りスマートウォッチで済ませたいのなら、Apple Watchのほうが身につける第2のディスプレイとして使い勝手はいい。しかし、通知が来たらスマートフォンで確認し、主に活動、健康トラッキングデバイスとして利用するのなら、装着性に優れ、ひと月に2回ほど充電すれば運用できるMiスマートバンド5は、最適なウェアラブルデバイスだろう。

投稿者:

TechCrunch Japan

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