調査会社のCanalys(カナリス)が新たに発表した数字によると、中国のモバイル企業であるXiaomi(シャオミ)は、第2四半期の好調な業績により、世界のスマートフォン出荷台数で第2位の座を獲得した。2021年4月から6月の間に出荷された同社のスマートフォンの台数は、前年同期比で83%の増加となり、世界市場の17%を占めた。
この急激な成長によって、シャオミはSamsung(サムスン)の19%に僅差で次ぐ世界第2位のスマートフォンメーカーとなった。3位はApple(アップル)で14%、4位にはシャオミ同じ中国メーカーが並び、Oppo(オッポ)とVivo(ヴィーヴォ)がそれぞれ10%となっている。
HUAWEI(ファーウェイ)は、もちろん上位企業の中には見当たらない。その大幅な下落は、同社がブラックリストによって特定の市場(すなわち米国)から締め出され、Google(グーグル)のAndroid(アンドロイド)や種々のアプリを含む米国のモバイル製品へのアクセスが遮断されたことも、少なからず影響していると思われる。
Canalysは、シャオミの成功の大きな要因として、意欲的な価格設定を挙げている。これは特に、サムスンやアップル製品のプレミアムな価格とは対照を成す。
「シャオミは現在、チャネルパートナーの統合や、オープンマーケットにおける古い在庫の管理をより慎重に行うなど、ビジネスモデルをチャレンジャー(新興挑戦者)からインカンバント(既存大手)に変えつつあります」と、CanalysのリサーチマネージャーであるBen Stanton(ベン・スタントン)氏は、リリースで述べている。「しかし、シャオミは依然としてマスマーケット(大衆市場)に大きく依存しており、サムスンやアップルと比較すると、シャオミの平均販売価格はそれぞれ約40%と75%も安くなっています。そのため、シャオミの2021年の主要な優先事項は、Mi 11 Ultra(ミー・イレブン・ウルトラ)のようなハイエンド機の売上を伸ばすことです」。
シャオミは米国ではあまり知られていないが(同社はこの国で独自の問題に対処してきた)、最近ではラテンアメリカ、アフリカ、西ヨーロッパで特に成功を収めている。サムスンを追いかけ、さらに世界的な急成長を続けているOppoとVivoを振り切るためにも、同社が拡大を続けられる市場はまだたくさんありそうだ。
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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Xiaomi、Canalys、スマートフォン
画像クレジット:Budrul Chukrut / SOPA Images / LightRocket / Getty Images
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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)