ジョニ・ミッチェもニール・ヤングに続き、新型コロナワクチン誤報問題でSpotifyから楽曲を削除

Spotify(スポティファイ)の、Joe Rogan(ジョー・ローガン)氏による頭痛の種が、さらに悪化することになりそうだ。

先週ミュージシャンのNeil Young(ニール・ヤング)氏は、2年前に1億ドルの独占契約を結んだジョー・ローガン氏とSpotify(スポティファイ)の関係に抗議するために、ストリーミングサービスから楽曲を削除することを発表していた。それに続きJoni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)氏も、米国時間1月28日に自身のウェブサイトに投稿し「ニール・ヤング氏に味方する」として、Spotifyから楽曲を削除することを発表した。

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「Spotifyから自分の音楽をすべて削除することにしました。無責任な人たちが他者の命を奪う嘘を広めています」とミッチェル氏は書く。「私はこの問題に関して、ニール・ヤング氏ならびに世界の科学 / 医学界と連帯します」。

世界で最も有名で、最も尊敬されている現役ミュージシャンの1人であるミッチェル氏が、ローガン氏の件でSpotifyから撤退したことで、驚く人はいるだろう。ヤング氏とは異なり、彼女はストリームの質に関しては不満を持っていなかった。

ローガン氏のポッドキャストである「Joe Rogan Experience」(JRE、ジョー・ローガン・エクスペリエンス)は、物議を醸すことで知られている。最近では、ローガン氏や彼のゲスト出演者の多くはトランスフォビアを公然と表明し、マスクは「ビッチのためのもの」なので新型コロナウイルスの感染を減らすためにはマスクを着用しないようにリスナーに呼びかけ、彼の大勢の聴衆にワクチンに対する疑念を広く伝えている

ローガン氏の番組は、世界で最も人気のあるポッドキャストでもある。1回のエピソードに推定で1100万人以上のリスナーが集まり、毎週複数のエピソードがSpotifyにアップされている。

ローガンは、間違った情報を流すゲストを定期的に呼ぶが、その主張が事実であるかどうか確認する努力はしていない。また、新型コロナに関する誤った情報を広めたことでTwitterから追放されたウイルス学者、Robert Malone(ロバート・マローン)博士をゲストに呼んだことで、何百人もの医療関係者が公開書簡に署名し、Spotifyは、パンデミックが続く中、人命を危険にさらすことで利益を得ていると非難している。この公開書簡に触発されたヤング氏は、今週Spotifyを去り、ミッチェル氏も自分のメッセージの中でこの書簡に触れている。

その書簡には「マローン博士は、JREプラットフォームを利用して、新型コロナワクチンに関するデマや、社会的リーダーが国民を『催眠にかけている』という根拠のない説など、裏付けのない主張を大量に広めました」と書かれている。

「これらの発言の多くは、すでに信用に値しないとされています。さらに注目すべきは、マローン博士は、パンデミック政策をホロコーストにたとえた最近のJREの2人のゲストのうちの1人だということです。これらの行為は、不快で攻撃的であるだけでなく、医学的にも文化的にも危険な行為なのです」。

画像クレジット:Vivien Killilea / Stringer / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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