スターマンからの信号が途絶えた

スターマンと彼のSpace Teslaから地球軌道最後の自撮り写真が送られてきた、とElon Muskが報告した。マネキンドライバー(本物のSpaceX宇宙服着用)を乗せたこの車は昨日(米国時間2/6)Falcon Heavyロケットに乗せられて飛び立ち、最終的には地球軌道を離れ太陽系の彼方へ向かう。

Elon Muskはスターマンの「最後の写真」をInstagramに投稿した。これは最後の数分間の中でもおそらくベストショットだろう。昨日の記者会見で、Muskはこの#DrummondPuddleWatch以来の奇妙で魅力的なライブ中継が、近々終了することを覚悟するよう予告していた。

「バッテリーは打ち上げから約12時間持続する」と彼は言った。「その後は宇宙の奥深く何百万年、おそらく何十億年も存在し続けるだろう。きっとどこかのエイリアンが発見して、『これは何のためなのだろう? この車を崇拝しているのか? なぜ車の中に小さな車があるんだ?』などと言うのだろう」。

(車のダッシュボードにはおもちゃのドライバーを乗せたおもちゃのRoadsterが接着されている)

実際にいつオフラインになったのかははっきりしないが、それまではたのしい時間だった。Muskがこの打ち上げを、自ら所有する別の大企業を宣伝する一種の相乗りPRイベントにしていることに疑問を挟む向きもあるが、本人は純粋に楽しみのためだと言っている。

「馬鹿馬鹿しくて楽しい。しかし馬鹿馬鹿しくて楽しいことは大切だ」と彼は言う。「文字通り普通の車が宇宙にある。私はその不条理さが好きだ。普通はコンクリートのブロックを山ほど飛ばすが、そんなのは面白くない」

スターマンと車は外宇宙に向かってゆっくりと進み続け、やがて火星の軌道を横断して小惑星帯に入ると、たくさんの岩つぶてを見舞われるだろう。しかし軌道の角度によっては、黄道を離れて衝突死を避けられるかもしれない。

いずれにせよ、まだまだ先の話だ。Roadsterの速度は知らないが、速いわけではなく火星は恐ろしく遠い。危険な目にあうほど遠くへ行くまでには数十年、数百年はかかるだろう。それまでにElon Muskが永遠の若さの秘密を発見していれば、それもきっとインスタするのだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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