スマホでニキビの診察や薬の処方を受けられるApostropheが約6.5億円を調達

Ben Holber(ベン・ホルバー)氏とRyan Hambley(ライアン・ ハンブリー)氏は一緒に育った。皮膚科医の息子のハンブリー氏はいつも肌がきれいだった。しかしホルバー氏は10代のころからニキビに悩まされていた。2人は、すぐに皮膚科医に診てもらえるかどうかが差を生むことを身をもって知った。そうしてApostrophe(アポストロフィ)が誕生した。

ニキビ薬の処方や診察を簡単に受けられるようにするスタートアップのApostropheは12月5日、600万ドル(約6億5000万円)のシードラウンドのクローズを発表した。本ラウンドはSignalFireがリードし、FJ Labsが参加した。

Apostropheは、認定を受けた皮膚科医とユーザーを結びつけ、皮膚科医は患者それぞれに合った治療法を提案する。そうした治療に使う処方薬のメールオーダーに対応できる薬局も備えている。最終的な目標は、皮膚科医の診察を受けるための行き来や待合室での長い待ち時間、よくありがちな薬局での面倒をなくすことだ。

Apostropheは患者に皮膚科医を紹介するのに医師のグループと契約を結んでいるが、医師と直接的な雇用関係にあるわけではない。Apostropheの薬局としての立場を考えたとき、患者の健康という観点でApostropheがいつでも皮膚科医にアクセスでき、そしてその逆の状態も維持することがベストだ、ホルバー氏は説明する。

サインアップ時、ユーザーは写真の提供と質問への回答を求められる。Apostropheのプラットフォームはアシストする役割を持つ組織として、またコミュニケーションをする場として機能する。しかし診断のための分析にテクノロジーは使われていない。診断プロセスに機械学習を利用することを避けるという決断は難しいものだったが、重要だったと語った。

「オンラインでなんでもそろう世界にあって、本当に個人的なことで個人的なやり取りをするとき、そこにはプレミアムな価値が伴う。あなたが気にかけていることを考える人がいること、質問に答えてくれる人がいることを知っているというのにはかなりの価値がある」とホルバー氏は話した。

このようにApostropheは、皮膚科医に取って代わるためにデータや機械学習を使うのではなく、テキストによる会話で皮膚科医とユーザーを結びつけることにピンポイントでフォーカスしている。ホルバー氏は、素晴らしい皮膚科医はわずか数秒で問題を見抜いて治療法を考えることができると指摘し、「皮膚科医の頭の中のマシーンは実際かなり早い」と付け加えた。

診察を受けるのにユーザーは20ドル(約2200円)を払う。この20ドルはApostropheによってパーソナライズされた治療プランに当てられる。Apostropheは処方事業で利益を得る。Apostropheは設立以来、計650万ドル(約7億円)を調達している。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)