オーストリアのAnylineは、モバイルのOCR技術をデベロッパーに提供して、アプリにテキスト認識機能を持たせられるようにする。その同社がこのほど、150万ユーロの資金を調達した。投資家たちの顔ぶれが、おもしろい。
まず、エンジェル投資家のJohann ‘Hansi’ Hansmann、busuuの協同ファウンダーBernhard Niesner、Lukas Püsböck、それから合衆国のVC iSeed Venturesだ。しかしいちばん目立つのは、ラウンドをリードしたのがGernot Langes-Swarovskiグループであることだ。
ある投資家が、いみじくも言った: “Svarovski家がラウンドをリードしたということは、やっと‘古い’お金がオーストリアのスタートアップに来るようになったということさ”。
Anyline独自の光学式文字読み取り(Optical Character Recognition, OCR)技術は、スマートフォンのカメラを使ってどんなテキストでも正確にスキャンし、文字、数字、それにプログラムのコードも認識する。協同ファウンダーでCEOのLukas Kinigadnerが言うには、困ってる人たちが多いと思ってこのシステムを作った、と。
“数字の入力も、スマートフォンの上だと、よく間違えるだろ。10桁の長い数なら、みんな間違えるよ。何度も、タイプしなければならない。でも元の数をOCRで読み取れば、一発で正確な入力ができるからね”、と彼は語る。
AnylineのSDKを使えば、アプリケーションはバーコードやパスポートなどもスキャンできる。電気のメーターや(上図)、製品のシリアルナンバー、など、物の上の文字や数字も読める。仕事を楽にしてくれる、便利な用途はいろいろありそうだ。
“今は、いろんな業務をデジタル化しようとしている企業からの引き合いが多い。みんな、サードパーティ製の、信頼できるソフトウェアを使うつもりでいる”、とKinigadnerは述べる。
“ということは、うちのターゲットはソフトウェアデベロッパーであるべきだ。スクラブルゲームなどでデモを見せるとデベロッパーたちは面白がって興味を持つし、Anylineのいろんな可能性を、彼らに教育できるね”。
同社自身が大きな可能性として考えているのは、スマートグラス(電脳眼鏡)にOCR機能を持たせることや、年内に予定している拡張現実(Augmented Reality, AR)への応用だ。そのためのパートナーは、ARプラグインの技術を持つwikitude、ダウンロード可能なスマートグラスSDKを提供しているEpson Moverio Pro、そして流通を担当してくれるKonica Minoltaだ。