すでに本家TechCrunchでも報道されているが、ニュースアプリ「SmartNews」を手がけるスマートニュースが1000万ドル(約12億円)の資金調達を実施したことが明らかになった。評価額はプレ(調達前)で3億2000万ドル(約384億円)、出資したのは既存投資家のグリー、グロービス・キャピタル・パートナーズ、Atomico、ミクシィ、Social Venture Partnersとなっている。
スマートニュース ヴァイス・プレジデント 財務担当の堅田航平氏曰く、今回の調達はいわゆるブリッジファイナンス(独立した資金調達ラウンドではなく、次のラウンドまでのつなぎの資金調達)で、2014年10月にリリースしたSmartNews米国版や2015年2月にリリースしたインターナショナル版の順調な成長を受けたもの。この資金をもとに米国拠点の人材を強化。米国サンフランシスコの拠点において、マシンラーニングや自然言語処理に長けたエンジニアを積極採用していく。日本のスタッフや役員も出張ベースで積極的に米国とコミュニケーションを取るとしている。
スマートニュース代表取締役の鈴木健氏によると、SmartNewsのMAU(月間アクティブユーザー)は日本で400万人、米国では100万人。提携メディア数も当初の10社から75社まで拡大。日米ともに「数字は順調に伸びている」(鈴木氏)のだそうだ。米国でニュースアグリケーションアプリと言えば、Flipboardが圧倒的なダウンロード数を誇っているようだが(直近の数字は公開していないが、Google Playでは世界で1〜5億ダウンロードとなっている)、スマートニュース代表取締役の浜本階生氏曰く、「ランキングに基づいて言えば、あまり突き抜けている(競合)アプリはない」とのこと。
また米国のアプリストアについて、「CNNやBuzzFeedなど1媒体を閲覧するアプリがランキングの上位を占めている。日本でも3年ほど前はそんな状況だったが、今ではアグリゲーターが上位を占めている。今後はそういった傾向が出てくるのではないか」と語った。
2014年12月に国内で本格的に広告ビジネスをスタートしたスマートニュースだが、米国でのマネタイズはまだまだこれからのようだ。「国内でもMAUが400万人を超えてやっと広告を始めた。米国でも同じように成長していく必要がある」(浜本氏)
日本を見てみれば、競合サービス「Gunosy」を手がけるGunosyに上場承認が下りたばかり。鈴木氏にイグジット戦略について聞いたところ「今のところ時期などは考えていない。まずは米国を頑張るというところ」ということだった。