ペットはお金がかかる。手数料、予防注射、食べ物、医療費…それでも結局は惜しみなく愛情を注いでくれる無二の伴侶を得ることができる。
もしそういうコストを少しばかり節約しようと考えているならロボット・ドッグ、すくなくともソニーのAiboはお勧めできない。ソニーが復活させたAiboは賢くてかわいいが決して安くはない。今日(米国時間8/23)、ニューヨーク市で開催されたイベントでソニーはAiboについてさらに詳しい情報を発表したが、値札は2899ドルだった。
Aiboの魅力(実際多数ある)にもかかわらず、ニッチなプロダクトに留まるだろうと予測せざるを得ない。Sony North Americaのプレジデント、COOのMike Fasuloが私に語ったところによれば、ソニーはホームロボティクスの分野で主要なプレイヤーになることを目指しているという。しかし何年も前からソニーが約束していたものの、この価格ではAiboがメインストリームのプロダクトになることはないだろう。
むしろAiboはソニーがホームロボティクスに力を入れることを象徴する製品だ。現在のソニーの消費者向けロボティクスとAIのショーケースとして機能することは間違いない。ともあれ、かなりかわいい製品に仕上がっている。私はソニーのCESのプレス・カンファレンスに出席してAiboがアメリカに初めて登場したのを見た。すると部屋中に驚きの声が上がった。つわもの揃いのテクノロジー・ジャーナリストたちの心を一瞬で溶かすのは容易なことではない。その点Aiboは大成功だった。
Fasuloは私のインタビューに答えて次のように述べた。
この製品はソニーのイノベーションの能力を示すものだ。このロボットには4000のパーツが組み込まれている。目はOLEパネルを内蔵しており、かわいい表情を作り出す大きな要素となっている。同時に写真撮影の能力も優れている。Aiboは全体としてソニーのイメージ・センサー・テクノロジーをベースにしている。このロボットは22軸の自由度を持ち、きわめて柔軟、多様な動作が可能だ。これは私が見てきた他のロボットのどれよりも優れている。Aiboはソニーがイノベーションにコミットすることを証明し、おそらくはブランディングにも良い影響を与えるだろう。
第1世代のAiboはあらゆる意味で時代に先駆けていいた。しかしその後、コンシューマー向けAI、クラウド・テクノロジーなどすべては当時では考えられなかったほど進歩し、広く普及した。19年のブランクを経て再登場したAiboはどんな性格のペットロボットになったのだろうか?
ソニーはAiboである種のリスクヘッジを図っている。2899ドルという価格は熱心なアーリーアダプター以外にはアピールしそうにない。ではあるが、このロボットは日本では驚くほどの売れ行きを示している。2万台前後が売れたというが、これはソニーの当初の期待以上の数字だろう。Fasuloによれば、アメリカ市場での販売目標は「数千台」だという。
現在Aiboはメインストリーム向けプロダクトではないし、複雑なメカニズムを考えれば将来も大幅に価格が下がることもなさそうだ。しかしソニーは今度こそ(すくなくとも当分の間)ロボティクスに注力するだろう。ソニーの「最初の子犬たち」は3年間のAI Cloudサービスがサポートされる。つまりロボット犬は3年間は健在で跳ね回ることができるわけだ。
驚くほど高価なクリスマスプレゼントを探しているむきは9月から購入できる。またニューヨークのソニースクエアで10月下旬まで実物を見ることができる。
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