ソフトウェア自動化プラットフォームのChefを開発ツールメーカーのProgressが買収

ボストンを拠点として各種の開発者向けツールを開発しているProgressが、ソフトウェアオートメーションプラットホームのChefを2億2000万ドル(約233億円)で買収することを発表し、そのプロダクトを大幅に拡大することになった。

Chefは昨年完全なオープンソース(未訳記事)になったが、その商用化努力により7000万ドル(約74億円)の年間経常収益を得ていた。しかしProgressはChefのその収益を手にするだけでなく、高度なスキルを持つ社員たちと、強力なデベロッパーコミュニティ、そして素晴らしい顧客リストを獲得する。

ProgressのCEOであるYogesh Gupta(ヨゲシュ・グプタ)氏によると、Chefは彼の企業の買収哲学によく合っている。「この買収は弊社の成長戦略に完璧にフィットし、これまで構想してきた要求にも合っている。それは、強力な経常収益モデルと、弊社の事業を補完する技術、忠実な顧客ベース、そして弊社の経営モデルとインフラストラクチャを利用してビジネスをより効率的に動かす能力だ」と同氏は声明で述べている。

ChefのCEOであるBarry Crist(バリー・クリスト)氏は、買収される企業によくあるタイプの主張を述べている。「Progressは今後の成長のためのより良い道筋を提供し、またオープンソースのコミュニティと顧客にProgressがChefのビジョンの良き支持者であるというメッセージを送る」と。

クリスト氏は声明で「Chefにとっては、この買収は次の章です。Progressは弊社の成長ポテンシャルの強化を助け、弊社のオープンソースのビジョンをサポートし、私たちの顧客とパートナーと従業員とコミュニティに、より幅広い機会を提供するでしょう」と述べている。

Chefの顧客リストは確かに素晴らしく、Facebook、IBM、SAPなどテクノロジーの大物と並んで、Nordstrom、Alaska Airlines、Capital Oneなどの一般企業も名を連ねる。

Crunchbaseのデータによると、同社は2008年の創業で、これまでに1億500万ドル(約111億円)を調達した。2015年にDFJ GrowthがリードするシリーズEで4000万ドル(約42億円)を調達してからは、大きな資金調達がない。同社を支えてきた投資家としてはほかに、Battery Ventures、Ignition Partners、およびScale Venture Partnersなどが挙げられる。

この買収は規制当局の承認を得て完了するのが来月と予想されている。

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画像クレジット:KrisCole / Getty Images
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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