ソフトバンクは7月19日、世界最大級の交通プラットフォームを手掛ける中国の滴滴出行(DiDi)と、国内で次世代のタクシー配車サービスを提供することを目的に、合弁会社「DiDiモビリティジャパン」を設立したと発表した。
2018年の秋から順次、大阪、京都、福岡、沖縄、東京やその他の主要都市でトライアルとして無償でサービスを提供する予定だ。両社は2月に日本のタクシー事業者向けサービスにおいて協業することを明らかにしていた。
DiDiモビリティジャパンは、DiDiの革新的な人工知能とデータ分析技術を活用し、全てのタクシー事業者が利用できるオープンなタクシープラットフォームを提供するために設立。機械学習をベースにした技術をスマート配車システムの需要予測に活用することで、タクシー配車サービスのさらなる最適化と乗客の利便性向上をサポートする。
新会社のプラットフォームには、タクシー事業者向けの管理コンソール、ドライバー向けのアプリケーション、そして乗客用のアプリケーションがある(トライアル開始とともにiOS版とAndroid版を提供予定)。
乗客はアプリを使い簡単にタクシーの配車サービスを利用でき、ドライバーの到着予測時刻も確認できる。アプリで決済を完了させる場合、主要なクレジットカードで支払いが可能だ。中国版DiDiアプリケーションの利用者は、日本国内でもAlipayまたはWeChat Payを選択できる。乗客向けおよびドライバー向けアプリには日本語・中国語間の自動翻訳機能が搭載される。
タクシー事業者は管理コンソールにより、配車状況やドライバーの稼働状況などの管理が可能。また、乗客からのドライバー評価を確認することでサービス向上に役立てることができる。
DiDiはアプリを通じ、5億千万人以上の利用者に「DiDi Taxi」「DiDi Express」「DiDi Premier」「DiDi Luxe」「DiDi Hitch」「DiDi Bus」「DiDi Minibus」「DiDi Designated Driving」「DiDi Enterprise Solutions」のほか、バイクシェアリング、カーシェアリング、フードデリバリーなどの幅広い交通手段を提供している。1日当たりの乗車数は3千万件に達している。
なおソフトバンク代表取締役社長執行役員兼CEOの宮内謙氏は本件について以下のようにコメントしている。「この合弁会社を通して、DiDiの最先端の交通プラットフォームサービスを日本市場に提供できることを大変うれしく思います。DiDiの卓越した技術革新力と、ソフトバンクの最先端の通信インフラを含む強固な事業基盤を融合させることで、日本の消費者とタクシー業界の方々へ新しい価値を提供できると確信しています」