ソフトバンクがSPACをさらに2社申請

SPAC(特別買収目的会社)を巡る熱狂は衰えることなく続いており、時には新しいSPACがほぼ1時間ごとにSECに申請されることがある。

巨大なビジョンファンドとその後継ファンドを運用する日本の通信コングロマリットであるSoftbank(ソフトバンク)は取り残されたくないと考えている。同社は米国時間2月5日、2つの新しいブランクチェック(白紙小切手)会社に関して連続してSPAC登録届出書を提出した。

SVF Investment Corp 2(SVF2)は2億ドル(約210億円)、SVF Investment Corp 3(SVF3)は3億5000万ドル(約370億円)のビークルだ。それぞれのSPACには標準で約15%のオーバーアロットメントオプションがある。つまり、引受会社がオプションを選択したと仮定すると、最終的なサイズはそれぞれ2億3000万ドル(約250億円)と4億ドル(約420億円)になる可能性がある(計算していただくとわかるが、SVF3のオーバーアロットメントは15%よりわずかに小さい)。

2社の興味深い要素の1つは、ソフトバンクのビジョンファンド2に関連する先渡購入契約と呼ばれるものがあることだ。ビジョンファンド2はこの契約に基づき、対象となるスタートアップとの企業結合が始まるときにSPACの株を購入できる。つまり合併に参加する権利が与えられる。ビジョンファンド2はSVF2と1億ドル(約105億円)、SVF3と1億5000万ドル(約160億円)の契約を結んだ。

すべてのSPACと同様、登録届出書は単に資金を調達する意図で提出されているが、最近では大部分の申請が後になってクローズしている。

数字が示すように、ソフトバンクは以前SPACの申請を行っていた。これは2020年12月に申請され、2021年1月7日に正式にクローズした。このビークルは引受人のオーバーアロットメントオプションを含め合計6億400万ドル(約630億円)の資金調達を目標としていた。また、最新のビークル2社と同様、ビジョンファンド2との2億5000万ドル(約260億円)の先渡購入契約も含まれていた。

SPAC2社が探しているのは何か。提出書類によると「私たちはテクノロジーを利用するセクターでの事業を探索、買収、経営する意図があります。その分野で私たち経営陣は他とは異なる経験と洞察を有しています。モバイル通信技術、人工知能、ロボット工学、クラウドテクノロジー、ソフトウェア全般、計算生物学およびその他のデータ駆動型ビジネスモデル、半導体およびその他のハードウェア、輸送テクノロジー、消費者向けインターネットおよび金融テクノロジーが含まれますが、これらに限定されません」。

多くをカバーしているように見えるが、念のために、提出書類では「しかし、私たちは異なるまたは関連する業界の企業との取引を完了するかもしれない」と述べている。つまり基本的に何でも対象になる。

SPACがクローズされるタイミングついて決まった予定はまだないが、市場平均を考えると通常は4〜8週間だ。

カテゴリー:その他
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画像クレジット:Alessandro Di Ciommo/NurPhoto / Getty Images

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(文:Danny Crichton、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

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