ソーシャルメディアからのトラフィックでFacebookが断然トップ―TwitterはPinterestに次いで3位

前四半期ではTwitterは売上、ユーザー増ともに予想を上回る結果で市場を驚かせたが、今日(米国時間10/27)発表される予定の第3四半期の決算で同じように好調を維持できるか注目が集まっている。しかしTwitteは単に今日のランチや通勤ラッシュについてツイートするだけの場ではなく、リンクをクリックしてニュースを読んだり、商品を買ったり、リンクを再共有したりするプラットフォームとなることをビジネスの目標としている。

このソーシャルメディアの参照トラフィックのシェアからすると、Shareaholicが公開した統計はTwitterにとって懸念を抱かせるものだ。Twitterの共有トラフィックのシェアは相対的に低下していることが判明した。

ボストンのソーシャルメディア調査会社、Shareaholicによれば、Facebookが全ソーシャルメディアの参照トラフィックの22%強、つまり約5分1のシェアを占めて1位であり、昨年に比べて116%と2倍以上に増加していることがわかった。参照トラフィックに関してはFacebookが揺るぎない王者だ。堅実だが、大きく引き離された2位はPinterestで、5.5%を占め、昨年に比べて50%の増加だった。そしてTwitterはさらにかけ離れた3位にとどまった。シェアは25%ダウンして0.88%と1%を切った。

Shareaholicによれば、このレポートは20万のウェブサイトにおける2億5000万のユニーク訪問者を調査したものだという。.

StumbleUpon、Reddit、Google+、YouTube、LinkedInなどTwitter以下のソーシャル参照トラフィックのシェアはますます小さな数字となる。 Shareaholicは「大半のウェブサイト運営者、マーケティング担当者にとって、トップ3以外のソーシャル・ネットワークは考慮する必要がほとんどない。 下位5種のソーシャル・ネットワークの参照トラフィックを合計しても全体の0.74%にしかならず、これは3位のTwitterからの参照トラフィックにも及ばない」と書いている。

しかしこの状況は裏返せば、ソーシャルメディアにはまだまだ新たな成長の可能性が残されているということでもある。トップ8種のトラフィックの合計が29.49%ということは、残りの70%は極めて長い裾野をひきずるロングテールの世界だということを意味する。ただし昨年はトップ8種のシェア合計は16.44%だったから、寡占化の動きが進んでいることは見てとれる。

Shareaholicのデータを検討すると、Twitterのシェア減少は、「大きいものがさらに大きくなり、小さいものがさらに小さくなる」という全体的なトレンドの一部であることが分かる。

この場合、Facebookがその「大きいもの」だ。ShareaholicのDanny Wongはわれわれの取材に対して「Shareholicが調査を始めて以来、Facebookがトップの座を明け渡したことは一度もない。しかもFacebookはニュースフィードを表示するアルゴリズムの改良、ビデオその他のコンテンツの導入などによってますますユーザーのエンゲージメントを高め、シェアを伸ばしてきた」と語った。

FacebookとPinterest以外のソーシャル・ネットワークで例外的にシェアを伸ばしたのはGoogle+(57%アップ)だけだが、シェア自体は0.07%と顕微鏡的だ。

Googleが検索結果の表示でGoogle+を優先扱いしているという不満も一部から聞かれる。それが事実ならGoogle+の成長原因の一部となっているのかもしれない。

このトラフィック・シェアの低下は、いち早くニュースを伝えるメディアプラットフォームとして自らを確立しようとするTwitterの努力に対して冷水を浴びせるものだ。

Guradianは新しいニュース記事に対するトラフィックの流入元としてソーシャルメディア中でTwitterが1位だと発表している。しかしShareaholicの統計をみるかぎり、これは例外的な現象のようだ。もうひとつ興味深いのはPinterestがFacebookより規模は小さいものの同様の成長傾向を示している点だ

Shareaholicの最近の数字を見ると、6月から9月にかけての4ヶ月ではGoogle+とLinkedInだけが増加傾向を示している。 Wongによれば「この時期は全体的に(夏休みなどの)季節要因でトラフィックの減少がみられる」という。これが不規則な結果を生んだのかもしれない。

画像: Flickr

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。