ティム・クック、Appleで働く「ドリーマーズ」250人を支持すると発言

Tim Cookは、IT業界トップとして就任前のトランプ氏と膝を交え、新大統領のテクノロジー政策を手助けすべく語り合ったひとりだった。しかし、当選後には選挙戦中の発言が軟化することに希望を寄せていた多くの人たちと同じく、Apple CEOは態度を変える理由をいくつも見つけた。死者3名を出した先月のシャーロッツビルの暴動の後、Cookは声明を発行しトランプの対応との不一致を強調した。

今日(米国時間9/4)午前CookはTwitterで、DACA(若年不法移民の在留合法化プログラム)の支持を拡大すると発言した。来週トランプ大統領が同プログラムを終了するというニュースを受けての行動だ。2012年にオバマ大統領が署名した「ドリーマーズ」プログラムは、不法滞在している若年移民を国外追放から保護するものだ。Cookはツイートで、現在同社が250人のドリーマーを雇用していると説明した。

[私はドリーマーたちを支持する。彼らは等しく尊重され、アメリカの価値に根差すソリューションを享受する権利がある]

先週トランプ大統領は記者に向かって、同プログラムの終了を考えていたことを告げ、報道はその決定が翌週火曜日、レイバー・デー休日の翌日に発表されるであろうと密かに付け加えた。この動きは当初から大統領キャンペーンを煽ってきた数々の約束の延長にあたる。選挙戦のキックオフイベントでトランプ氏は、メキシコは「ドラッグを持ち込んでいる。犯罪も持ち込んでいる。やつらはレイプ犯だ。そして中には、良い人たちもいるだろうと想像している」と聴衆に語った。

トランプがプログラムの終了を強硬に考えているというニュースに、Cookを始め、Amazon、Google、Netflix、その他の主要IT企業のトップが動き、トランプ大統領にDACAを継続するよう依頼するレターを書いた。「ドリーマーズはわれわれの会社そして経済の未来にとって不可欠な存在」とレターには書かれている。「会社は彼らと共に成長し職を生み出していく。ドリーマーズはわれわれが国際競争で今後も優位を保っていける理由でもある」。

DACAが終了すれば「78万人の勤勉な若者」が国外追放の危機にさらされる、とレターは指摘する。Cookは今日のツイートで、このプログラムは会社にとって単なる抽象的な政治ではないと説明した。もしDACAが終了すれば、AppleだけでなくFortune 500企業の72%に当たる現在ドリーマーを雇用している会社が具体的な損害を被る。

プログラム廃止の考えは、トランプの所属政党の中でさえ議論を呼んでいる。先週金曜日(米国時間9/1)、下院議長のポール・ライアンは大統領の行動に懸念を表明し、記者団に向かってこう言った「やるべきではないと実際思っている。これは、議会が修正すべき問題だと信じている」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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