Tesla(テスラ)が、多くの新機能が使えるようになるソフトウェアアップデートの配信を始めた(バージョン10.0)。これらの新機能の中には、5000ドルする完全自動運転オプション付きの車であれば駐車スポットから駐車場内にいる自分のところまで車を自動運転で呼び出せる「Smart Summon」が含まれる。
これは、Teslaが一般向けに提供しているものの中で最も高度な半自動運転機能のひとつだ。同社はまだ、この機能は駐車場でだけ、そして車がはっきりと目で確認できる時にだけ使うこととしている。また、最終的にはユーザーが車両の責任を負うことも同社は指摘していて、この機能を使うときには車やその周囲に注意を払わなければならない。もし、必要なら車をリモート操作で止めることもできる。Smart Summonは一部の顧客にのみベータ公開されてきたが、ようやく完全自動運転オプションを購入した全車両で使用できるようになる。
今回のアップデートで導入された他の機能には、リクエストの多かったSpotifyのサポートが含まれる。これはSpotifyに対応するマーケットでプレミアムのアカウントを持っているユーザーなら誰でも利用できる。この新機能は、かなり人気のストリーミングサービスのオーディオをBluetoothで流すのを不満に思っていたTesla車オーナーを満足させるのに大いに役立つはずだ。Teslaはまた、中国ではXimalayaというポッドキャストとオーディオブックのストリーミングサービスを提供する。
バージョン10.0で加わったTesla Theater Modeは車内イフォテイメント(車内エンターテインメント)システムをユーザーのNetflix、YouTube、Hulu/Hulu+(もし購読しているならLive TVも含む)のアカウントにつなげる。これにより、車が安全に停められている間、こうしたプラットフォームのストリーミングビデオにアクセスできるようになる。中国ではIQiyiとTencent Videoも利用できるようになる。さらには今後もグローバルでさらにオプションを増やすとしている。新しいTesla Theater Modeではまた、Tesla車両オーナー向けに車両の取扱説明も提供する(繰り返しになるが駐車している間のみだ)。
今回のアップデートの多くは「Car-aoke」モードをはじめとするエンターテインメント機能にフォーカスしている。聞いて想像がつくかと思うが、Car-aokeモードとは車内カラオケが体験できる機能。膨大な曲と歌詞のライブラリが用意されており、Teslaによると複数の言語もサポートするそうだ。車で移動しながら車内で歌うというのは、これまでローテクなオプションのみだったが、新機能はアマチュアのJames Cordens(ジェームズ・コーデン)をサポートするものになりそうだ。
【編集部注】ジェームズ・コーデンは、自動車を運転しながら、ゲストの歌手と一緒に車内でカラオケで歌を歌ったり、インタビューしたりする「Carpool Karaoke」(カープール・カラオケ)という人気番組を担当している。
新しいエンターテイメント機能で大事なことをひとつ言い残した。Teslaが今年初めに立ち上げた車内ゲーミングソフトウェアのTesla ArcadeでCupheadの提供が始まる。Cupheadは大ヒットしたインディゲームで、初期のディズニーアニメーションを思わせるアートスタイルが特徴だ。これはTeslaのコアなギーク視聴者を絶対に虜にするだろう(おそらくマスク氏自身にとってもご褒美のようなものになる)。不注意運転になることを心配する人もいるかもしれないので再び繰り返すが、この機能が使えるのは駐車しているときだけだ。
Teslaはまた、ドライブルート上にある良さそうなレストランや観光スポットを提案する、いくつかの新たなナビゲーション機能も加えた。加えて、車載カメラを使ってドライブレコーダーモードとSentryモードそれぞれでとらえたものをユーザーが見つけやすくなるよう、ビデオを分ける新たなファイルシステムも搭載される。ストレージが必要なときは自動で削除される。
目を引く新しい機能がたくさん詰まったこのアップデートは今週から、ネットワークを介した配信で展開される。前述したように、地域によっては若干の違いは見られるが、もしプレビューが見たければショールームでアップデートをチェックできるとのことだ。
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(翻訳:Mizoguchi)