Alexaのスキルが声を識別してパーソナライズできるようになった

Amazon(アマゾン)のAlexaは、2年前に音声プロフィール機能拡張が行われたことで、家庭内の異なるユーザーごとにパーソナライズされた応答ができるようになっている。このほど、そのパーソナライズ機能をAlexaのスキル開発者も利用できるようになったとAmazonが発表した。

米国時間9月25日に大量の消費者向け製品を披露したAmazonは、Alexa Skills Kitに「スキルのパーソナライズ」機能を追加したことも発表した。ユーザーがAlexaデバイスや専用アプリで作った音声プロフィールを開発者が利用できるようになるというものだ。

この機能拡張によって、開発者はユーザーの個人設定を記憶してスキルを利用する時に個人の好みを考慮したり、家庭内の複数のユーザーが同時に話したときに、個人を識別したりできるようになる。

しくみはこうだ。ユーザーが音声プロフィールを設定している場合、Alexaは”directed identifier”(仮称:命令識別子)と呼ばれる数字と文字列を生成して対象のスキルに送る。後にユーザーがそのスキルを使うと、同じ識別子が使われる。識別子には個人を特定できる情報は入っていない、とAmazonは言っており、スキルと音声プロフィールごとに異なる識別子が割り当てられる。

スキル開発者はこの情報を使って、ユーザーの好みや興味に応じた挨拶や応答を返すことができる。

ユーザーが音声プロフィールを設定しているけれどもスキルのパーソナライズは望まない、というときはAlexaアプリを使ってこの機能からオプトアウトできる。

スキルのパーソナル化は、ゲームの進行状況をセーブしたり、音楽やポッドキャストなど、ユーザーの嗜好が重要な役割を果たす場面で特にに有効だ。

しかし、Alexaでは音声プロフィールをユーザーが手動で設定する必要がある。Alexaのモバイルアプリを使うか、Alexaに「私の声を覚えて」と話しかける。多くのユーザーはこのしくみがあることさえ知らない。つまりこの機能を利用したい開発者は、自分のアプリの中で音声プロフィールの登録方法から教える必要があるかもしれない。

新機能は一部の開発者に向けてプレビュー公開される。興味のある人はここで申し込みできる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook