テスラが新型コロナウイルス懸念で上海工場を一時的に閉鎖

Tesla(テスラ)は、コロナウイルスに関する懸念により同社の上海工場を閉鎖するよう中国政府から命令された。これによりModel 3の生産が遅れるだけでなく、米国時間1月29日に発表された決算報告ではCFOのZach Kirkhorn(ザック・カークホーン)氏が「本会計年度第1四半期の利益に対する軽微な下向き圧力になる」と述べている。

テスラは1月29日に、1億500万ドル(約114億円)、希薄後1株あたり56セントの純利益を報告した。それは前年同期では1億4000万ドル(約1524億円)、1株あたり78セントだった。第4四半期の調整後収益は3億8600万ドル(約420億円)で、1株あたり2.14ドルだった。売上は73億8000万ドル(約8036億円)で、2018年の同期の72億ドル(約7840億円)に比べてわずかに1%伸びた。

カークホーン氏によると、Model 3の生産は1週間半遅れる。新型コロナウイルスは、コロナウイルスとして認知されるウィルスの新しい系統で、2019年12月に中国・武漢で突然現れた。その後、数千人がこのウィルスに感染し、政府は国中の公共交通機関やFoxconn(フォックスコン)などの工場を閉鎖するなどの策を講じた。The New York Timesの報道によると、自動車メーカーのFord(フォード)とトヨタでは、中国の組み立て工場のアイドル期間がさらに1週間増えるそうだ。

Apple(アップル)のCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は投資家に、同社の中国のサプライヤーの閉鎖は2月10日まで続くと告げた。Starbucks(スターバックス)も1月29日に、中国で2000店あまりを一時的に閉鎖すると発表した。

カークホーン氏は「現状では、コロナウイルスの今後の被害状況をまだほとんど把握していない。そんな中で言えるのは、1週間か1週間半ぐらい、政府の要求により、上海製のModel 3の増産が遅れるということだ。それによって今四半期の利益にやや影響が及ぶと思われるが、生産の初期でもあるので影響は限定的だろう」と説明する。

テスラはフリーモントで作られる車のサプライチェーンについても、コロナウイルスによる中断を警戒している。「まだ具体的には何もないが、今後の展開が長そうだから警戒が重要だ」と同氏はコメントしている。

上海プラントにおけるModel 3セダンの生産は1月初めにスタートした。これは、同社の初めての海外プラントの建設工事が始まってから1年後のことだ。

テスラにとって重要なのはあくまでも顧客への納車であり、それをもって初めて、世界最大の自動車市場にマーケットシェアを刻み、また関税による財務の障害を克服できるのだ。

画像クレジット:Qilai Shen/Bloomberg/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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