テスラのライバルのNIOが決算が予想を上回り株価が急上昇

2019年第3四半期の決算が投資家の予想を上回ったことを受け、中国拠点の電気自動車メーカーNIO(ニーオ)の株価が米国時間12月30日に急上昇した。これはサプライズとなったが、この前には競合相手のTesla(テスラ)がNIOのホームマーケットである中国で製造した車両を初めて納車したという発表があった。

NIOは2018年にニューヨーク証券取引所で1株あたり6.26ドル(約680円)で株式を公開した。しかし株価は1.19ドル(約130円)にまで落ち込み、公開企業となって同社のバリュエーションは大幅に減少した。そして第3四半期の決算を受けた12月30日、NIOの株価は1株あたり1ドル(約108円)以上上昇し、この記事執筆時点で3.47ドル(約380円)となっている。本日の取引で44%近く上昇したことになる。第3四半期では、売上高と利益の両方で予想を上回った。そして次の四半期で納車台数は急増する、とNIOは見込んでいる。

Yahoo Financeによると、投資家はQ3の調整後売上高は2億3080万ドル(約250億円)で、1株あたり純損失は0.34ドル(約37円)になると予想していた。実際は、売上高が2億5700万ドル(約280億円)、1株あたり純損失は0.33ドル(約36円)だった。売上高で伸びを確保し、前四半期比21.8%増、前年同期比25%増だった。

投資家の予想を上回ったものの、同社はまだ投資サイクルの中に残ったままだ。これは上品な言い方だが、要はまだ赤字状態であるということだ。たとえば、直近の四半期でNIOの自動車販売での粗利率はマイナス6.8%だった。これは1年前のマイナス4.3%よりもさらに悪い。

NIOの主幹事業は売上原価をカバーできず、まして社全体の営業費用となれば尚更だ。これは同社が金を使うばかりで、さならなる資金注入がなければ操業できなくなることを意味している。この点についてNIOは決算についての発表文で触れている。

弊社は赤字続きで、債務超過だ。弊社のキャッシュバランスは十分でなく、今後12カ月間操業を続けるための運転資本と流動資産を賄えない。第3四半期の監査前財務情報を準備する上で、その前提となる連続した操業ができるかどうかは、外部からの十分なエクイティか借入金融を確保できるにかかっている。弊社は目下、いくつかのファイナンスプロジェクトを抱えているが、完了できるかどうかは不確定だ。適用される法律に基づいて進展ないし情報を発表するつもりだ。

というわけで、NIOはさらに多くの資金を必要としている。操業を続け、会社を成長させるのに必要な資本を調達する必要があるが、幸運なことに株価が上がったおかげで、同社は株を売り込みやすくなった。

今後の展望として、同社は2019年第4四半期に「8000台超」の納車を予想している。これは2019年第3四半期の納車台数より3分の2ほど多いとのことだ。つまり、今期の売上高は過去3カ月のものよりも大幅に増えることになる。これはテスラの創業者であるElon Musk(イーロン・マスク)氏と彼の会社がまとわりつくとしても、NIOにはいいニュースだ。また、2018年にIPOを行った企業にとっても吉報だろう。

画像クレジットGetty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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