テック株は米国有権者が投票に出かけるなか値上がりし、大統領選挙結果が出るはるか前に恩恵を受け始めている。
米国株は全体的に上昇し、S&P 500インデックスは1.78%高の3369.11ドル(投票日のS&Pとしては最上級)、テック寄りのNASDAQ総合指数は1.85%高の1万1160.57ドルだった。唯一の例外はエネルギー株で、この日約0.75%値を下げた。SaaSおよびクラウドコンピューティング株は他の米国株とともに上昇し、2.28%高だった。
この上昇は些細に思えるかもしれないが、先月、2020年10月を思い出して欲しい。NASDAQは米国時間11月3日の取引開始時点で史上最高値から8%強下がっていた。このため本日の値上がりは最近の安値と最高値レベルとのギャップを1/4ほど埋めた。Nasdaqは10月末に回復し始める前、直近のピークから10%以上落ち込んでおり、この日の反発は生まれつつある上昇傾向の一環となった。
その人が事前予想をどう解釈するかよって、この値上がりはどちらの候補者に対する支持であるとも読み取れる。
本日の株式市場の動きの裏には、テクノロジー企業の一様ではない収益サイクルがある。主要テック企業が苦境に陥っている(未訳記事)一方、Five9のように新型コロナ感染症を追い風に(SiliconANGLE記事)好調な結果を残した中小企業もある。Netflix、Intel、Apple(アップル)などは投資家を満足させるのに苦労している。事実、「予測超え」決算に対する国内株式市場の反応はこのサイクルを弱めた(Twitter投稿)。
テック業界にとってこの日の反発は歓迎であり、年内に予定されているIPO申請の多発につながるかもしれない。Airbnb(エアービーアンドビー)、DoorDash(ドアダッシュ)などは現在も2020年の上場候補だ。
一部の株価、中でもUber(ウーバー)、Lyft(リフト)は11月2日にはすでに値上がりを始めており、これはカリフォルニア州の有権者が「プロポジション22」を通過させると信じてのことだ。もしこの法案が承認されると、ライドシェアリング会社はギグエコノミーワーカーを個人事業主ではなく社員として分類するよう強制する新しいカリフォルニア州法の適用を除外される。
現在のところUber株はまだ1カ月前より3.87%安だが、この2日間の高値で回復しつつある。Uberの株価は11月2日に2%高で引けた。本日の終値は2.76%高の35.77ドルだった。Lyftはここ数日でさらに大きく伸ばした。本日のLyft株は7.06%高の26.23ドルで引けた。
UberとLyftにとってこの投票の賭け金は大きい。もしプロポジション22が通らなければ、ビジネスモデルを変えなくてはならない、と両社はいっている。いずれの企業も、もし新しいカリフォルニア州法への遵守を強制されれば一時的に州内の営業を停止すると脅しをかけている。現状、投資家たちはUberとLyftがいつもどおり営業を継続できると信じている。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )