テレビ局の放送の仕方を変えようとするスタートアップAmagiが、アメリカでローンチした。
テレビの視聴者は現在の放送の物理的なインフラストラクチャに大きな問題があると思わないかもしれないが、しかしAmagiによると、人工衛星による番組供給は、費用が高く、時間を浪費し、またコンテンツの各国向けローカライゼーションも難しい。
しかし、同社のCloudportプラットホームを使えば、コンテンツをクラウドから配布できる。グローバルな拡張のためにも衛星は要らないし、そのための地上局設備も不要だ。ローカライゼーションもソフトウェアでできるから、各国向けのフィードをひとつのダッシュボードでモニタできる。
そういうプロセスの自動化を、Cloudportは人工知能を使って行う。それにより、画面の異状の自動検出などもできる。そして局は、独自のオンデマンドのストリーミングチャネル(“チャンネル”)を作れる。
協同ファウンダーのK.A. Srinivasanは、ローンチを発表する声明文の中で、人工衛星を使うやり方には“持続可能性がない(unsustainable)”、と言っている。
Srinivasanは曰く、“衛星が必須の放送インフラなら、中小規模の放送局やコンテンツのオーナーなどなどの人たちは何もできなくなる。そんな状態を打破するためには、放送をしたい多くの人びとがクラウド技術を利用して“放送能力”を持つ必要がある”。〔AbemaTVのようにそれ自身が局ではなく、Amigaはあくまでも放送をしたい者のためのプラットホームサービスを提供する。〕
ただしAmagiも、衛星や光ファイバーによる配布を行うが、あくまでもメインはクラウドだ。また広東語放送Dim Sum TVのように、衛星とクラウドを併用して東南アジア全域を可視聴域にする例もある。
というわけで、今日ローンチとは言っても、すでに一部の放送者にはサービスを提供している。バンガロールで生まれたAmagiは、今ではニューヨークに本社を置き、ロサンゼルスにもオフィスがある。今は、Vice MediaやTurner Broadcastingにも営業を仕掛けている。Viceはすでにこのプラットホームを使って、アフリカやニュージーランドなど向けの新たなチャネルVicelandを作った。