新型コロナウイルスパンデミックの最中にeスポーツマーケットがブームとなったいることを裏付けるニュースが発表された。eスポーツの「全ソリューションプロバイダー」であるVSPN(Versus Programming Network)は、Tencent Holdings(テンセント・ホールディングス)がリードしたシリーズBで1億ドル(約105億円)「近く」を調達した。Tiantu CapitalやSIG、Kuaishouも本ラウンドに参加した。調達した資金は、eスポーツプロダクトや中国・アジアにおけるエコシステムの改良にあてられる。
2016年に創業され、上海に拠点を置くVSPNはeスポーツトーナメント組織の初期開拓者の1社だ。創業以来、オフラインの会場運営などにも事業を拡大してきた。
声明文の中で、VSPNのCEOであるDino Ying(ディノ・イン)氏は「直近の資金調達を発表できることを嬉しく思います。上海をeスポーツの世界の中心にするという方針、そして北京、成都、西安がeスポーツの開発に自信を表しているおかげで、VSPNは近年急成長してきました。今後は、eスポーツ研究所の設立やeスポーツカルチャーパークの設置、海外展開を楽しみにしています。VSPNは長期的なビジョンを持っていて、グローバルeスポーツエコシステムの持続可能な開発に注力します」。
Tencent EsportsのゼネラルマネジャーであるMars Hou(マーズ・ホウ)氏は「VSPNの長期的なビジョンやeスポーツプロダクションをリードしているという事実は、Tencentがeスポーツ業界の開発のレイアウトを最適化するのに欠かせないものです」とコメントした。
TechCrunchは2020年3月に、TencentがVSPNに投資するかもしれないというヒントを得ていた。Tencent HoldingsのCOOであるMark Ren(マーク・レン)氏は、VSPNのようなトーナメント主催者とともにTencentがより高品質のeスポーツコンペを開催するかもしれない、と話していた。
8月に明らかになったように、Tencentはすでに世界最大のゲーム販売会社であり、ビデオゲームにフォーカスしていたライブストリーミングサイトDouyuとHuyaを統合する。
いい換えれば、TencentのVSPNへの投資は、同社がeスポーツマーケットに再び賭けていることを示している。
今回のシリーズBラウンドの前にVSPNは2016年にシリーズAで資金調達した。その際はFocus Media Networkがリードし、China Jianteng Sports Industry Fund、Guangdian Capital、Averest Capitalが参加した。
VSPNはいまやPUBG MOBILE国際大会、中国のHonor of Kingsの大会、PUBG、Peacekeeper Elite、CrossFire、FIFA、QQ Speed、Clash Royaleの主要トーナメント主催者かつブロードキャスターだ。オリジナルコンテンツは1万2000時間にもなる。VSPNは中国のeスポーツトーナメントの70%超と提携している。
別のeスポーツ大手ESLは3月、2020年のPUBG Mobile eスポーツサーキットに加わるためにTencentと組んだ。
eスポーツトーナメントとコンテンツ制作事業に加え、VSPNは成都、西安、上海にeスポーツ開催施設を構えた。5月には中国外では初なるeスポーツ開催施設V. SPACEを韓国・ソウルに置いた。
さらには、オフラインのイベントも戻りつつある。VSPNは初の大規模なeスポーツイベントを2020年8月に会場で実際に開催した。そしてLOL S10イベントはチケット6000枚を準備する予定だ。しかし、トーナメントはすべて厳しい新型コロナ規制の下、中国政府の許可を得て開催されることになる。主要で、かなりレベルが高いなものだけが承認される。
VSPNは、eスポーツの短編ビデオエコシステムを構築し、eスポーツコンテンツ制作の質を上げ、さまざまなチャンネルを通じてより多くのユーザーにアクセスするのに引き続き注力する、と話した。同社は現在5つの事業部門で1000人超を雇用している。
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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:VSPN、Tencent、資金調達
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(翻訳:Mizoguchi)