プロのデベロッパに対する教育訓練のための各種リソースを提供するPluralsightは、今年の初めにInsight Venture Partnersからの2750万ドルの資金調達を発表したが、このほどそのお金を、実際に当初の目的どおりに使うことになった。MicrosoftやSalesforce、Twitter、Facebook、Dell、HP、Intel、Disney、EMCなどが利用している同社は、同じくデベロッパ教育のためのリソース、とりわけビデオによるチュートリアルを提供しているPeepCodeを買収した。ここには、Ruby、Node.js、JavaScript、Unix、Git、CSS、RSpec、データベースなどなど、さまざまな技術を対象とする教材が揃っている。
全額キャッシュによる買収だが、その額は公表されていない。しかしこの買収によってPluralsightのオンラインライブラリには新たにおよそ100の新しいコースが加わることになり、とりわけ、相当量のオープンソースコンテンツが増加する。今では、プロのデベロッパの多くが、オープンソースの技術およびツールと親しい仲になりたいと願っているから、絶好の買収だったと言える。
“PeepCodeはオープンソース界隈でもっとも尊敬されている名前の一つだ。そのクライアントにはGitHub、AT&T、Yammerなどが顔を揃えている”、とPluralsightのCEO Aaron Skonnardは語る。“これまでのPluralsightの顧客ベースは、顔をもっぱらMicrosoftの方に向けているエンタプライズが中心だった。今回の買収はPluralsightに、本格的なオープンソースプログラマの学習リソースとなっているコンテンツを与える。また、それらを支えている人材も得られる”、と彼は述べた。
2004年に創業されたPluralsightは最初の3年間、物理的な教室を使うデベロッパ教育を提供していたが、その後オンラインに方向転換した。今日の同社は数百ものコースを抱え、プランは個人、モバイルユーザ、企業、エンタプライズなどに分かれている。これまではMicrosoftの技術に強い教育企業だったが、そのほかSalesforce、Java、Android、iOSなどのプラットホームのための教材や教程も提供している。
今年の初めにSkonnardは、新たに得られた資金を教材/教程の一層の多様化に充てていきたい、と言っていた。そのとき具体的に構想していた開発プラットホームは、TwitterやFacebookのようなソーシャルプラットホーム、Java、Android、Ruby、PHP、Python、そしてAmazonのAWS、Google App Engine、Windows Azureなどのクラウドプラットホームだ。
PeepCodeには、それらのコンテンツが部分的にあり、またそのビデオコースの有料ユーザが数千人いる(ビデオ5本で55ドル、10本で99ドル、無制限で199ドル)。それらのビデオは、デスクトップからモバイルまでどんなデバイスからでも見ることができ、またオフラインで見ることもできる。
これらの顧客が、これからはPluralsightのユーザベースに加わる。その総数は、150か国30万名におよぶ。
さらにPeepCodeは、ビデオ教材/教程コースを作る数十名の教材制作者を抱え、彼らに指導料とロイヤリティを払っている。その点はPluralsightも同じで、Peepの数十名がこれからはPluralの150名の教材制作者の仲間に加わることになる。またPeepCodeのファウンダGeoffrey Grosenbachは、Pluralsightにおいてオープンソース開発を担当するVPになる。
Skonnardの予定では、両社の教材ライブラリの統合に数か月を要する。その後はコース数が650あまりになり、受講の方式は一本化される。
また、経過措置として、PeepCodeの既存のユーザに対し、Pluralsightの料金体系に対する“両替システム”が提供される。たとえばPeepのビデオ教材5本プランを買っていたユーザは、Pluralで一定時間のコースを受講できることになる。
向こう数か月は両サイトとも現状のまま運用されるが、そのあとは、PeepCode.comがPluralsight.comへリダイレクトされる。
今回の新コースの追加により、来年以降のPluralsightの売上の成長は三桁ペース(伸び率数百パーセント==倍増、倍々増)を維持する、とSkonnardは豪語している。
[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))