デリバリー需要の急増にも関わらず、Uberの第3四半期売上は投資家の期待に届かなかった。
Uberの四半期総取扱高は147億ドル(約1兆5200億円)で、前年同期比10%減だった。売上は31億ドル(約3200億円)で、対前年比18%減だった。
アナリストは売上32億ドル(約3310億円)と予測していた。同社の売上予測未達は、1株あたり損益の予測超えで部分的に緩和された。同四半期のUberの1株あたり損失は0.62ドルで、予測された損失0.65ドルを上回った。
Uberの第3半期純損失は11億ドル(約1140億円)で、1年前の12億ドル(約1240億円)からわずかに改善された。
会社の2つの中核事業は、「二都物語」だった。Uberのライドシェアリング(モビリティー)ビジネスは縮小したが利益は上げた。一方、フードデリバリービジネスは成長したものの依然として赤字だ。
財務用語でいうと、モビリティの調整後純売上は、前年同期の29億ドル(約3000億円)から14億ドル(約1450億円)に下がった。この52%の下落は、2020年第3四半期の「セグメント調整後EBITDA」という強くひねられた指標を61%減の2億4500万ドル(約250億円)へと下落させた。
対照的にデリバリー事業の調整後純売上は、前年同期の3億9200万ドル(約410億円)から11億ドル(約1140億円)へと躍進した。190%の伸びは、同事業部門の不採算性を著しく減少させた。このセグメントは調整後EBITDAを2019年第3四半期のマイナス3億1600万ドル(約330億円)から2020年第3四半期のマイナス1億8300万ドル(約190億円)へと改善することに成功した。
全体で、Uberの調整後EBITDAはマイナス6億2500万ドル(約650億円)で、1年前の同四半期より7%悪化した。
世界に目を向けると、Uberの運はさまざまだった。米国とカナダでは2020年第3四半期の売上は2019年第3四半期と比べて30%減だった。ラテンアメリカでは39%の急落だった。しかしEMEA(欧州・中東・アフリカ)とAPAC(アジア太平洋)地域では、それぞれ20%と43%上昇した。
Uberの四半期末の保有現金および同等物は62億ドル(約6410億円)で、他に短期投資11億ドル(約1140億円)がある。帳簿の反対側を見ると、Uberには約67億ドル(約6930億円)の長期借入金負債がある。
米国のテック系巨人は2020年第3四半期のコストを2019年第3四半期と比べて大幅に縮小し、運用およびサポートの費用を減らし、研究開発および一般管理支出は1年前より増えた。
Uberの株価は時間外取引で2.2%下がった。
いくつかの向かい風を受けながらも、UberのCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロウシャヒ)氏は会社の将来と黒字化への道に自信をにじませる。Uberはモビリティ総取扱高の大幅減にもかかわらず、その利益目標を維持するとコスロウシャヒ氏は米国時間11月5日の決算会見で語った。
「現在のコスト構造に基づき、我々は会社の調整後EBITDA損益なし、モビリティ事業の総取扱高、2019年第4四半期の10~20%減を実現できると確信しています」とコスロウシャヒ氏は語った。「2021年のどこかで収支トントン損益なしを実現できると予想しています」。
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カテゴリー:モビリティ
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)