トランプ氏がツイッター、フェイスブック、グーグルを提訴、アカウント停止は不当な検閲と主張

2021年初めに不名誉な形でホワイトハウスを去ってから初の記者会見で、前大統領のDonald Trump(ドナルド・トランプ)氏はTwitter(ツイッター)、Facebook(フェイスブック)、Google(グーグル)とこの3社のCEOに対して集団訴訟を起こすと発表した。3社が米憲法修正第1条に違反した、と主張している。

同氏はニュージャージー州ベッドミンスターに所有するゴルフクラブで開いた記者会見で「シャドーバン(アカウント凍結に近い状態)の終了、みなさんがよく知っている沈黙強制やブラックリスト掲載、追放、取り消しの停止を求める」と述べた。

米連邦議会議事堂で1月6日に起きた暴動を受け、ソーシャルメディアプラットフォームはすぐさま当時のトランプ大統領の投稿権限を禁じた。何年にもわたり、トランプ氏は誤情報と暴力的な脅しに関するプラットフォームの規約の限界を試してきたが、議事堂暴動があった日のトランプ氏の役割は一線を超えた。そして間もなく同氏は、Twitter、Facebook、YouTubeでの何百万というフォロワーにリーチするためのメガフォンを失った。

Twitter上でのトランプ氏の運命は知られている。前大統領は生涯Twitterの使用を禁じられている。しかしFacebookとYouTubeでは、トランプ氏のアカウントは復活する可能性がある。Facebookは外部の規約決定機関であるFacebook Oversight Boardがこの問題を同社に差し戻したことを受けて、まだ判断の審議を続けている。Facebookは現在、トランプ氏の無期限停止の期間を永久とするのか、それとも一定期間にするのかを決める必要がある。

トランプ氏は、フロリダ南部地区裁判所に起こす訴訟の原告代表になる。訴訟では「補償的損害賠償と懲罰的損害賠償」、そしてトランプ氏のソーシャルメディアアカウントの回復を求める。FacebookとTwitterはこの件に関するコメントを却下し、GoogleはTechCrunchのコメント要求に反応しなかった。

訴訟はすでに注意を引くという意図した効果を得たが、それ以上のものにはならなさそうだ。トランプ氏は米憲法修正第1条がうたう権利を侵害したとしてFacebook、Twitter、Googleを非難しているが、米憲法修正第1条は企業ではなく政府による言論の検閲に関係するものだ。

3社はまた、米通信品位法230条によっても守られている。230条はホストするコンテンツに対する法的責任からプラットフォームを守り、また現職大統領をプラットフォームから追放する決定も含め、コンテンツモデレーションの判断を行う権限をプラットフォームに与えている。

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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