Alphabet(アルファベット)のドローン配達会社であるWing(ウイング)は、8月25日付のブログ記事で、同週末に10万件目の顧客への配達を達成する見込みであると発表した。このニュースが報じられたのは、同社がオーストラリアのブリスベン都市圏に位置する人口約30万人の都市ローガンでパイロットサービスを開始してから、間もなく2周年を迎える時期のことだ。
またそれは、Amazon(アマゾン)独自のドローン配達の取り組みが「内側で崩壊しつつある」とWiredが報じた数週間後のことでもある。Wingの広報責任者であるJonathan Bass(ジョナサン・バス)氏は、TechCrunchの取材に対し、このサービスが今後数カ月のうちに、さらに多くの市場に参入する予定であると語っている。
「私たちは、かなりの規模で拡大すると思います」と、バス氏はTechCrunchに語った。「今後6カ月以内に、オーストラリア、フィンランド、米国で新たにサービスを開始する予定です。この技術の能力はおそらく、今や規制当局の許可よりも先に進んでいます」。
これまで行われた配達のうち、半分以上はこの8カ月間にローガンで完了したものだ。例えば、8月の第1週には4500件の配達が発注されており、これはWingの配送時間帯では30秒に1回の割合となる。
2020年1年間にWingのドローンがローガンで行った配達には以下のような品物が含まれている。
- 1万杯のコーヒー
- 1700個の子ども用スナックパック
- 1200個のhot chooks(オーストラリアでローストチキンのこと)
- 2700個のロール寿司
- 1000食のパン
Wingのドローンの航続距離は、バッテリー容量から6マイル(約10キロメートル)に制限される。つまり、移動時間はかなり短いため、ドローンの外部で品物が入ったパッケージを運んでいるにもかかわらず、食べ物が冷めたり温まってしまったりという問題はあまり起きない。制限されるのは主に重量で、最大3ポンド(約1.4kg)までの運搬が可能だという。卵のような非常に壊れやすいものでも問題なく運べると、同社は述べている。
ドローンは上空100〜150フィート(約30.5〜46メートル)で巡航し、目的地に到着すると約23フィート(約7メートル)の高さまで降下する。そこからロープで荷物を地上に降ろし、フックを外す。荷物を受け取るのに誰の手も必要としない。
「テストと配達を合わせると、私たちは過去4〜5年の間に50万回近いフライトを行っています」と、バス氏はいう。「我々は徐々に密集した環境に移り、コミュニティに耳を傾けるようになりました」。これにはドローンの騒音レベルを下げるように求めるコミュニティからの意見も含まれる。
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画像クレジット:Wing
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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)