ハーレーダビッドソンの電動バイク「LiveWire」が発売直後に製造停止へ

Harley-Davidson(ハーレーダビッドソン)は、同社初の電動モーターサイクル「LiveWire」に仕様とは異なる点を発見されたとして製造を停止した。

同社は、すでに出荷されたLiveWireをリコールすることはないとTechCrunchに語った。同社が製造と出荷を中止したことはReuters(ロイター)が最初に報じた。

「最近の最終品質検査で仕様とは異なる点が発見されたため、製造と販売を保留し、追加のテストと分析を開始して順調に進めている」とハーレーダビッドソンが声明で語った。

「当社のLiveWireディーラーおよび顧客とは密な連絡を取っており、今後もモーターサイクルに乗り続けられることを伝えた。高品質を維持することは常にわれわれの最優先事項だ」。いつ製造、販売を再開できるのか、あるいは異常状態に関する詳細情報についてハーレーダビッドソンは発信していない。

製造中止は同社の電動化推進を脅かすものだ。2万9799ドル(325万円)、105馬力の電動モーターサイクルは、将来モーターサイクルから自転車、スクーターへと広がる同社のEVラインアップの先陣を切る。

LiveWireは数年前からの情報やコンセプト車両のデモンストレーションのあと、2019年に製造開始された。ディーラーへの配車は9月27日から始まった。

LiveWireとそれに続くEV製品群は、ハーレーダビッドソン伝統の内燃式クルーザー・モータ位サイクルを補完するものであり、置き換えるものではない。

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景気後退以来、米国でのモーターサイクルの新車販売は40歳以下の顧客では特に不調が続いている。 同社の売上は過去10年間下降している。同社の電動モーターサイクルへのシフトは、忠実なガソリンモーターサイクル顧客を維持しつつミレニアルやオンデマンドモビリティー市場にアピールする製品を作ろうというハーレーダビッドソンの賭けだ。

これで米国を象徴するモーターサイクル会社は、Zeroを始めとする数多い電動バイクスタートアップとの戦いに遅れを取ることなく、既存モーターサイクル会社の中でEVのリーダーとして前進することができる。しかし、今回の製造中止はその戦略を阻むことになるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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