ボストンでオンラインのバックアップとリカバリーサービスを提供しているCarboniteが昨日(米国時間2/7)、エンドポイントセキュリティのベンダーWebrootをキャッシュ6億1850万ドルで買収する、と発表した。
同社は、そのクラウドバックアップサービスにWebrootのエンドポイントセキュリティツールが組み合わされば、顧客により完全なソリューションを提供できる、と信じている。実はWebrootの履歴はクラウドに先立ち、創業は1997年だ。Carboniteが提供しているデータによると、Webrootは2018会計年度に2億5000万ドルの売上を報告している。同じ時期にCarboniteの売上は2億9640万ドルだった。
CarboniteのCEOで社長のMohamad Aliは、この買収を同社のサービスの多様化の機会、と捉えている。彼は声明の中でこう述べている: “ランサムウェアのような脅威が日増しに進化している中で、われわれの顧客とパートナーはますます、強力でしかも使いやすい、総合的なソリューションを求めている。バックアップとリカバリに、エンドポイントセキュリティとスレットインテリジェンス(threat intelligence, 脅威情報)を組み合わせたものは、他と明確に差別化されるソリューションとして、単一の総合的データ保護プラットホームを提供する”。
この取引はCarboniteのバックアップ製品を強化するだけでなく、同社に新しい顧客ももたらす。Carboniteは主に付加価値再販業者(VARs)に売っているが、Webrootの顧客は主に14000社のマネージドサービスプロバイダー(MSPs)だ。顧客層は重複していないので、MSPのチャネルからCarboniteの市場を拡大できる。Webrootの全顧客数は30万である。
Carboniteの買収は、これが初めてではない。過去数年間にいくつかの買収を行っており、たとえば1年前には1億4500万ドルでDellからMozyを買収した。その買収戦略は、同社の核となるバックアップとリカバリーサービスにさまざまなツール加えて、より総合的なプラットホームになることだ(下図)。
今回の買収は、手持ちキャッシュに加えてBarclays、Citizens Bank、およびRBC Capital Marketsからの合計5億5000万ドルの融資を利用している。規制当局の承認を得て、この四半期内には買収が完了するものと予想されている。