バーチャルイベントサービスで知られるユニコーン企業のHopin(ホピン)は、米国時間3月23日朝、さらに2社を買収したことを発表した。買収されたのはJammとStreamableの2社で、Hopinは取引の詳細を明らかにしていない。
しかしHopinの創業者兼CEOであるJohnny Boufarhat(ジョニー・ブファラート)氏はTechCrunchへのメールの中で、2社とも「アーリーステージ」の企業だと述べている。このコメントから、取引の規模をある程度推測することができる。
Hopinは今回の取引に加えて、2021年1月にStreamYardを2億5000万ドル(約272億円)で買収すると発表するなど、ここ数カ月、買収に積極的だ。
Jammは「ワンクリックでできるチームのためのビデオコラボレーション」と称してサービスを販売しており、Streamableは他社のビデオのアップロードやストリーミングを支援している。ライブ動画配信サービスを提供していたStreamYardを買収したことからしても、Hopinの小切手帳の焦点がビデオであることは想像に難くない。
ブファラート氏はそれを認め、今回の買収は「プロ仕様のビデオ機能を大きな規模で簡単に利用できるようにするために、さらに多くの技術を構築する」ために役立つとTechCrunchに説明している。CEOは、同社は「非公式」にその取り組みを「ビデオのあらゆる側面を活用したコネクションのエコシステム」と呼んでいる、と付け加えた。
このビジョンに対するTAM(Total Addressable Market、総獲得可能市場)は、Hopinが最も得意とするバーチャルイベントの事業や、同社が元々サポートするために生まれたオンライン / オフラインのハイブリッドイベント市場よりも大きいと思われる。
HopinがStreamYardの買収を発表したとき、それは重要な収益を上げている会社を買収したということだった。ブファラート氏のチームは、StreamYardを単独の製品として存続させることを決めた。JammとStreamableはよりアーリーステージの案件だが、同じような扱いを受けるのだろうか?
答えはイエスでもあり、ノーでもある。Streamableの場合はイエス、Jammはノーだという。ブファラート氏によると、Jammは「Hopinの製品に完全に統合される」とのことで、一方、Streamableは単独の製品として存続させつつ、イベントプラットフォームに統合するポイントを見つけていくとのことだ。
TechCrunchは、StreamYardの取引のように、Hopinが買収した収益の量は重要なのかどうかコメントを求めた。ブファラート氏によれば、それはないという。つまり、2021年3月初めに行われた4億ドル(約435億2000万円)の資金調達ラウンドで開示された、Hopinの最後の収益額である7000万ドル(約76億2000万円)のARR(年間経常収益)は、まだ適切である可能性が高い。当時のHopinの評価額は56億5000万ドル(約6147億円)だった。
Hopinは同社のプラットフォームを利用してイベントを開催する「オーガナイザー」の数が、2021年3月初めの8万5000人から米国時間3月23日の時点で9万人に増加したことを明らかにした。これは、カ月足らずで6%弱の成長を意味する。Hopinの急成長の軌跡は、今のところ損なわれていないようだ。
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タグ:Hopin、買収、バーチャルイベント
画像クレジット:Hoxton/Tom Merton / Getty Images
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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Aya Nakazato)