パナソニックがアクセラレーション、生体電位センサや言語解析の技術も開放

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大企業がスタートアップとコラボレーションして新しい事業を始める道を模索する——そんな動きはここ1、2年でかなり具体的なかたちになってきているのだけれど、大手エレクトロニクスメーカーのパナソニックもスタートアップとの共創を進めるのだという。パナソニックは6月27日、スタートアップのcrewwと共同で企業アクセラレータープログラム「Panasonic Accelerator 2016」を発表。同日より参加を希望するスタートアップの募集を開始した。エントリー期間は7月8日まで。

Panasonic Accelerator 2016では、パナソニックとスタートアップ企業、両者のリソースを掛け合わせたオープンイノベーションによる事業創出を目指すとしている。「家電・くらし」、「仕事」、「先端技術」という3点をテーマに、パナソニックとスタートアップによる革新的事業、マーケットの創造を目指すとしている。crewwは、スタートアップのマッチングから新規事業提案までをパナソニックと共同で行う。

と、これだけではよく分からないのでもう少し具体的に話を聞いたところ、ビエラブランドで展開するテレビや生活家電、レシピサイト「ウィークックナビ」とコラボレーションする事業や、グローバルで25万人のパナソニックグループ社員を対象にした新しい職場環境や福利厚生、採用効率化に向けた事業のプランを創出していくという。また、(1)脳や筋肉の活動をミリ秒オーダーで計測する生体電位センサ、(2)対話の記録や翻訳に欠かせない人工知能を用いた音声言語解析のノウハウ、(3)機械学習により医用画像の類似性を判定する画像診断支援システム——というパナソニックの保有する先端技術をスタートアップに開放する予定だ。

パナソニックではスタートアップごとに専任の担当者を割り当てて、上記の領域で具体的なプランを練り込んでいくという。最終的には採択スタートアップと協業の契約をして、フィールド実証や事業化の詳細検討を進める。詳細な条件等は明かされていないが、取り組みの内容次第では資金提供にも前向きだとしている。

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TechCrunch Japan

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