企業が、パブリッククラウドという共有的なインフラストラクチャを新たなITの場、自分たちのアプリケーションを動かす環境として選んだとき、その環境を効果的かつ効率的に使いこなすための具体的なノウハウをあらかじめ持っていることは稀だ。そういう企業を助けてガイドするサービスAppFormixが今日(米国時間6/9)、August Capital率いるシリーズAのラウンドにより、700万ドルを調達したことを発表した。
その発表と併せてステルス状態を脱した同社によると、今日(こんにち)のアプリケーションは必然的に仮想マシンやコンテナの上で動くことになり、そのためのインフラをほかのアプリケーションやテナントと共有することになる。そのためにアプリケーションは、リソースを他と競合することになりがちである。AppFormixは、サーバやストレージやネットワーキングのセットアップをモニタするオペレータやデベロッパを助けるために、リソースの競合状態やボトルネックが一箇所ですべて分かる単一のダッシュボードを提供する。同社のサービスはさらに、オペレータがリソースの競合状態を解決する場合のポリシーのセットアップを助ける。
DevOpsのプロフェッショナルたちはAppFormixを使って、自分たちのOpenStackのセットアップ上のコンテナや仮想マシンを管理し、またApache MesosやGoogleで育ったKubernetesなどのコンテナ技術によりアプリケーションを管理する。
現在のAppFormixはこのようなユースケースに力を入れているが、今後はクラウドのモニタリングや管理にも手を広げていく意向だ。
同社のファウンダでCEOのSumeet Singhは、この畑におけるかなりの経験者だ。それまでの彼はMicrosoft Azureの主席開発マネージャ、その前にはCiscoのデータセンター長だった。
彼は曰く、“さまざまなタイプのインフラストラクチャごとに、それぞれ異なったツール集合があるという状態は、過去の技術だ。インフラストラクチャ全体のリアルタイムの可視性がある、という状態が未来の姿であり、そのためにはITの全域にわたるすべてのツールとチームが一点に収束しなければならない。クラウドというインフラストラクチャは、共有的なインフラストラクチャだ。インフラストラクチャのアプリケーションのレベルでの可視性を提供し、アプリケーションによるそういう共有的インフラストラクチャの使われ方ををプログラムによって管理できるAppFormixは、より経済的で信頼性に富み、アジャイルなソフトウェア定義データセンターを可能にする”。
同社のサービスは目下ベータだが、本年の第三四半期には一般的な供用が開始される予定だ。