パンスターズ(Pan-STARRS)計画で5年間にわたりハワイ、マウイ島のマアナケア山頂天体観測から撮影した50万枚の画像によって、天文学者は新たに強力なデータ資源を得た。今日(米国時間12/19)一般公開された2ペタバイト(2 x 10^15)のデータは、天空の3/4を網羅し、恒星、星雲、小惑星等数十億個の天体を写し出す。
これは印刷して壁に飾る種類の画像ではないが、上に載せた観測範囲全体の可視光を映しだした画像は実に美しい。ハッブル天文台等で撮影した写真が超望遠レンズで写した個々の表情だとすれば、これはわれわれの宇宙近隣を撮った超広角写真だ。実際には何千ものレイヤーを重なり合わせて作られている。
長期間にわたり繰り返し観察することで、地球近傍天体や、明るいけれども短時間の事象、大規模な現象等を追跡することが可能になる。パンスターズによって、数十の小惑星やクエーサー(準恒星状)が発見され、宇宙マイクロ波背景放射の「コールドスポット」といった謎の事象の定義にも役立っている。プロジェクトの成果の一部は、この(やや古い)PDFに記載されている。
「パンスターズは、既に地球近傍天体や太陽系のカイパーベルト天体から、星間の浮遊惑星まで様々な天体の発見に成功している」とプロジェクトの責任者であるハワイ大学のケン・チャンバース博士がニュースリリースで言った。「銀河系内のダストを3次元にマッピングすることで、新たな星の流れを発見したほか、新種の爆発星や初期宇宙の遠方クエーサーも見つけた。
今回公開されたのは “static sky” と呼ばれる5年間の観測データを平均した値だが、来年には高精度の大規模データが公開される。知りたいことのわかっている人はパンスターズのウェブページへ行けば見つけられるはずだ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)