パンデミックが吉と出たクラウドインフラストラクチャのベンダーは売上が急増

企業のクラウドへの移行が安定的な動きとして始まっていたのは、COVID-19の影響よりも前からだと言っても過言ではない。それは2019年のRe:inventのキーノートでAndy Jassy氏が言ったように、AWSにとって十分な速さではないかもしれなかったが、でもそれが起きていたことは事実であり、クラウドインフラストラクチャの市場全体が売上の着実な増加を経験していた。

市場の主な選手たちの至近の四半期の決算を見ると、パンデミックと経済の低迷で成長が鈍化した気配もない。むしろそれは、成長に貢献しているのかもしれない。

Synergy Researchが発表した数字によると、クラウドインフラストラクチャの全体の市場規模は2020Q1で290億ドルである。

画像クレジット: : Synergy Research

長年この市場をウォッチしているSynergyのJohn Dinsdale氏によると、パンデミックはささやかながらその成長に貢献している。数字は伸びても企業が無傷であるわけではないが、でも企業がオペレーションをオフィスからシフトしていることも、第一四半期にクラウドの需要が増加した一因と思われる。

Dinsdale氏は、声明で次のように述べている: 「確かに、パンデミックはクラウドのプロバイダーにとっても問題だが、この先の見えない時期にあってパブリッククラウドは、正常なオペレーションを維持しようとして苦労しているエンタープライズに柔軟性と避難場所を提供している。クラウドプロバイダーの売上は目を見張るほどの成長率で伸びており、AWSとAzureを合わせた年商は600億ドルを優に超える勢いだ」。

100億ドルあまりの四半期売上で市場の1/3を支配するAWSが先頭を走り、マーケットシェアでは他の追随を許さない。二位のMicrosoft(マイクロソフト)は59%という急成長を見せ、市場の18%を握っている。数字を公表しないMicrosoftに代わってSynergyの試算によれば、Azureの四半期売上は52億ドルだ。一方Googleは、28億ドルで三位である。

それぞれ国内のマーケットシェアはAWSが32%、Microsoftが18%、Googleが8%だ。これらの比率はかなり安定しているが、しかしMicrosoftはここ数四半期の間に数ポイントを稼ぎ、成長率ではAmazonを上回っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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