パンデミックを追い風にブラジル版IKEAのMadeiraMadeiraが197億円調達、評価額1039億円超に

IKEA(イケア)やWayfair(ウェイフェア)のブラジル版ともいえるMadeiraMadeiraは、ソフトバンクのラテンアメリカ投資ファンドとブラジルの公共・民間投資会社Dynamoが主導したレイターステージラウンドで1億9000万ドル(約197億4000万円)の資金調達を終え、今や評価額約10億ドル(約1038億9000万円)の企業となった。

家具や生活雑貨に特化したオンラインマーケットプレイスであるMadeiraMadeiraは、顧客が家を建てたり、家具を整えたり、リフォームしたり、インテリアデコレーションしたりする際に利用できるよう、約30万点の製品を提供している。

Daniel Scandian(ダニエル・スカンディアン)氏、Marcelo Scandian(マルセロ・スカンディアン)氏、Robson Privado(ロブソン・プリバド)氏によって2009年に設立された同社は、世界的な新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの結果、ブラジルでも起こったオンラインショッピングへの移行が大きな追い風となった。

店舗が閉鎖されたことで、ブラジルでのオンラインショッピングは急増した。ダニエル・スカンディアン氏が指摘するように、ブラジルでのeコマースの普及率はパンデミック前は約7%だったが、パンデミックの最盛期には17%にまで膨れ上がり、現在は約10%で安定している。

スカンディアン氏によると、サードパーティのプライベートブランド商品の販売と、自社の配送・物流施設を組み合わせることで、MadeiraMadeiraは、複数のオンライン小売業者や家具インテリア量販店のベストプラクティスを活用することができるという。

MadeiraMadeiraのプラットフォームには1万以上の売り手が存在し、約250万ユニットの在庫を保管している。ここ数年、同社は顧客がオンラインで注文を済ませ、実店舗で商品をチェックアウトできる小売施設の中にショールームを加えた。

「こうすることで、デジタルマインドセットを持ちつつオフライン市場に取り組めます」とスカンディアン氏は述べている。

最新の資金調達で得た資金は、既存の10カ所の拠点に新たな倉庫施設を追加して物流能力を拡大するための投資に充てられる予定だ。同社はまた、同日配送やプライベートラベルサービスの拡大も視野に入れている。

今回の資金調達はおそらく株式公開前の最後のラウンドと見られており、FlybridgeやMonasheesといった以前からの投資家に加え、公開に焦点を当てた投資会社であるVelt、Brasil Capital 、Lakewoodなどが参加している。

Monashees、Kaszek、Fundo Avila、Endeavour Catalystなどの初期投資家や、Wayfairの創設者Niraj Shah(ニラージ・シャー)氏、Build.comの創設者Christian Friedland(クリスチャン・フリードランド)氏などのエンジェルバッカーがMadeiraMadeiraの初期の成功に貢献した、とスカンディアン氏は述べている。

ブラジル南部の主要都市クリチバに拠点を置くMadeiraMadeiraは、1300人以上の従業員を擁し、その大部分はテクノロジー、ロジスティック、製品開発に集中している。

「今回の新たな投資により、MadeiraMadeiraがラテンアメリカのホームプロダクツのリーダーとしての地位を固めていく中で、MadeiraMadeiraの長期的な価値創造のビジョンへのコミットメントを高めていきます。最初の投資以来、MadeiraMadeiraの経営陣は約束したことをすべて実現しており、彼らへの信頼はますます高まっています」とソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドのマネージング・パートナーであるPaulo Passoni(パウロ・パッソーニ)氏は述べた。

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タグ:MadeiraMadeira資金調達eコマースブラジル

画像クレジット:MadeiraMadeira

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(翻訳:Nakazato)

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TechCrunch Japan

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