ヒュンダイがBoston Dynamics買収でソフトバンクと交渉中と報道

Boston Dynamicsのオーナーがまた変わるかもしれない。Bloombergの記事によれば「事情に通じた筋」がそう語ったという。

韓国の大手自動車メーカーHyundai(ヒュンダイ)がBoston Dynamicsの買収に成功すれば三代目のオーナーとなる。この7年間でGoogle(グーグル)、次にSoftBank(ソフトバンク)グループが同社を買収してきた。Boston Dynamicsは4脚のBigDog、人間型のAtlasなどを含め、先進的なロボティクステクノロジーで世界に知られている。

TechCrunchではヒュンダイ、ソフトバンク、Boston Dynamicsの各社にコメントを求めている。回答があれば記事をアップデートする予定だ。

Boston Dynamicsは25年の間、主に開発研究と軍事用の応用に集中していたが、2017年にソフトバンクグループの一員となって以後、ロボットの商用化を積極的に推進し始めた。例えば同社は2019年に四足歩行ロボットSpotの販売を開始したが、チェルノブイリの放射能汚染の除去(The Telegraph記事)、ニューヨーク市警察のパトロール(New York Post記事)、新型コロナウイルス(COVID-19)治療のための遠隔医療など極めて広い用途で利用されている。

同社はまた車輪で移動するアームを持つHandleをフルフィルメントセンターなどの倉庫におけるパッケージ処理向けに提供している。これはパンデミックによって人手不足が生じている中で注目を集めているプロダクトだ。しかしながら、こうした先進的テクノロジーを用いたロボットは複雑かつ高価となり、量産・販売には困難な課題がある。また利用者側にも、十分なノウハウと多額の投資に耐える体力が必要だ。オーナーのソフトバンクはWeWorkへの投資失敗などもあり、2020年は波乱の年だった。

ソフトバンクのロボティクスに対する取り組みは、Aldebaran Roboticsが開発したPepperロボットでわかるように比較的シンプルな応用を主としているのに対して、ヒュンダイのビジョンはBoston Dynamicsのこれまでの歴史に近いといえる。ヒュンダイが2019年に発表したコンセプトカーであるElavate(Business Insider記事)は通常は4輪で走行するが、必要に応じて4脚に変身してどんな悪路も走破できることを目標としていた。つまり非常に高度なロボティクスを利用するものだった。

ヒュンダイは、2019年から自動走行車とロボティクスのテクノロジーに関心を示し始めた。同社は自動走行車開発のためにAptivと持ち分50%ずつのジョイントベンチャーでMotionalを創立(未訳記事)した。新会社の目標はレベル4からレベル5の段階の高度な自動走行テクノロジーの開発で、Hyndaiはこうしたテクノロジーを最終的に量産に結びつけようと狙っている。同社は2022年までに自動走行車の量産だけでなく、これを利用したロボタクシーの運用も目標としている。

Aptivとヒュンダイのジョイントベンチャーへの投資総額(研究開発費用や知財の価値を含む)は40億ドル(約4200億円)に上る。両社は当初、完全自動走行テクノロジーのテストは2020年までに開始され2022年の商業化を目指すとしていた。

実はヒュンダイはこれまで自動走行車にはさして多額の投資をしていいなかった。2019年10月には、次世代移動テクノロジー開発のために2025年までに41兆ウォン(約3兆8600億円)を投資するという計画を発表した。この資金の大部分は同社の自動車ラインナップのEV化に向けられるものだが、自動走行を含む各種の次世代テクノロジーにも強い興味があると述べている。

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カテゴリー:ロボティクス
タグ:ヒュンダイBoston Dynamicsソフトバンクグループ買収

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

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TechCrunch Japan

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