ビッグデータによる気候予測のスタートアップ、Climate Corporationをアグリビジネスの巨人モンサントが11億ドルで買収

今日(米国時間10/2)のビッグニュースはアグリビジネスの世界的トップ企業、MonsantoClimate Corporationを11億ドル前後で買収したことだ。Monsantoのプレスリリースでは買収金額は9億3000万ドルとなっているが、投資家からの情報によると、Climate Corprationの従業員引き止めのための優遇策などを加えた買収費用総額は10億ドルを超えるという。

Climate Corporationへの投資家にはFounders FundKhoslaGoogle VenturesNEAIndex VenturesAtomicoが含まれる。このスタートアップは機械学習を利用してビッグデータを解析し、気候変動の予測など農業ビジネスのために必須な情報を提供している。

Monsantoはバイオテクノロジーを利用した新品種の種子を始め農業関連のさまざまな商品とサービスを全世界で提供している。買収されたClimateCorporationは名称をそのままに独立の企業として運営を続ける一方、Monsantoはそのビッグデータ解析による情報を世界の農業関係者に提供していく。

今回の買収の発表は世界最大のアグリビジネスの一つであるMonsantoが第4四半期の決算で 予想以上に大幅な2億4900万ドル(1株当たり0.47ドル)という損失を発表したのと同日だった。

Monsantoはこの買収を長期的な業績回復のための布石の一つと捉えている。Climate Corporationの気候変動監視テクノロジーが地球温暖化などマクロ的スケールにおけるリスクマネージメントに大きく寄与すると考えているわけだ。 Monsantoは年来遺伝子組み換えテクノロジー などによる市場占有で小規模なアグリビジネスを圧倒してきた。Climate Corporationの買収がこれまでのMonsantoの戦略のどこに収まるのか注目される。

こちらはMonsantoのプレスリリース

Climate CorporationのCOO、Greg Smirinは私の取材に対し「この買収は双方にとって理想的だ。周知のように地球気候は近年変動が激しくなっている。われわれは以前からMonsantoに親近感を抱いていた。われわれが開発したデータ解析テクノロジーはMosantoの種子ビジネスにきわめて大きな好影響を与えると確信している」と述べた。

Climate CorporationのCEO、David Friedbergは元Google社員で、Googleの最初の企業買収担当幹部の一人だった。IndexのNeil RimerによるとFriedbergはSkypeの買収を社内で提案したことがあるという。 IndexはClimateに最初の30万ドルのシード資金を提供している。

私はMonsantoの世界戦略担当副社長、Kerry PreeteとFriedbergをわれわれのスタジオに招いてインタビューすることができた。

こちらは昨年、Climateが5000万ドルの資金を調達したときのFriedbergインタビュー。

取材協力:Ingrid Lunden

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


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TechCrunch Japan

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