ビッグデータ対応を軸にITとデータセンターの運用/管理環境を一新するRocanaが$15Mを調達

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Rocana(元ScalingData)が、Google Venturesがリードし、General Catalyst PartnersとToba CapitalおよびPaul Sagan(元Akamaiの会長で現在はGeneral Catalystの常勤役員)が参加したシリーズBのラウンドで、1500万ドルを調達したことを発表した。

これで、同社の総調達額は1940万ドルになる。

Rocanaは大型データセンターの問題発見と修復を単純化し迅速化する。各企業のサービスのモバイル化とクラウド化の進展により、それら混成環境における問題発見がますます難しくなっている、とRocanaの協同ファウンダでCEOのOmer Trajmanは説明する。

Rocanaが得意とするのは、問題が起きたときにシステムをずっと低レベルまで下(お)りていって調べる”root cause analysis”(根本原因の分析)と呼ばれる手法だ。

企業はそれまで、理解も制御も容易な、比較的シンプルなシステムを利用していたが、しかし今日では、OpenStack、Hadoop、Dockerなどなど、多様な技術を使いこなさなければならない。これらのツールは一部の困難な問題を解決してくれるが、同時にユーザのシステムの複雑さを増大させる。

General CatalystのパートナーDonald FischerはRocanaに惹かれた理由を、企業ITのこのような環境変化に取り組むための新しい方式を開拓しているからだ、と言う。“私の眼下に広がる視野の中では、いろんなものが複雑性を増し、とくにデータセンターでデプロイされるものが、(単一ベンダのストレートなソリューションではなく)ますます異種混成的になりつつある”、と彼は述べた。

しかも彼の耳に入ってくるのは、シンプルなデータセンターのために設計された従来型のツールが、時代遅れで使い物にならない、という声だ。“ITの運用をを管理するためのツールを見渡すと、どれも老馬だ。IBMやHP、BMCなどのツールさ。どれも、DockerやOpenStack、Mesosphereなど以前の製品だ。それらのツールが、もはや役に立たない、という声が沸き起こっている”、と彼は語る。

そこで、Rocanaのようなスタートアップに機会が開ける。ファウンダたちは、データセンターの問題の根幹にあるのがビッグデータの問題だ、と見ている。日に日に複雑性を増しているシステムの、いろんなところから、雑多な、統一性のないデータが大量に入ってくる。それらに対応するためにRocanaは、Hadoopと、その関連技術Apache Spark(分散クラスタ、インメモリ処理)とApache Solr(検索エンジン)を選んだ。

アプリケーションのパフォーマンス管理というとNew RelicやAppDyamicsなどのサービスがすでにあるが、Trajmanによると、彼らはどちらかというとRocanaがやってることを補完するものだ。

“New Relicはアプリケーションのレベルでパフォーマンスやその問題を理解させるが、うちのようにインフラまで下(お)りて行くと、まったく違う光景が見えるのだ”。

つまり彼によるとNew Relicは、アプリケーションのどこで何がおかしくなっているか、を教えてくれるが、Rocanaはインフラストラクチャのレベルでユーザが問題を詳細に理解し、それらを修復する方法を提供する。

ITの運用スタッフに詳細なインフラストラクチャとソフトウェアの分析を提供する、という点ではむしろ、DataDogがコンペティタかもしれない。

いずれにしても、市場の特定の部分だけを対象に頑張っているスタートアップは、それほど多くはない。Rocanaは、20名の社員がボストンとサンフランシスコにいる。Trajmanは、今回得られた資金で社員数を2〜3倍に増やしたい、と言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

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