ピーター・ティール氏がフェイスブック取締役を退任、政治活動に重点か

米国時間2月7日、Facebook(フェイスブック)の親会社Meta(メタ)は、取締役のPeter Thiel(ピーター・ティール)氏が再選を目指さす、ソーシャルメディア会社経営陣最高幹部の在任期間を終えることになったと発表した

それはさほど驚きの行動ではなかった。ティール氏は公な政治活動への関与が多くなっており、何人かの議員候補者の支援も行ってきた。Meta傘下のFacebookおよびWhatsApp(ワッツアップ)の世界的交流における重要性を考えると、特に選挙期間においては、より政治色の薄い取締役会の方が健全さを見せることができるかもしれない。

この動きへの解説はすばやかった。Dan Primack (ダン・プリマック)氏は、巨大テックプラットフォームであるFacebookとティール氏のつながりは、同氏が推す主要テック企業を批判している候補者にとっては厄介かもしれないと指摘した。ティール氏はかつてDonald Trump(ドナルド・トランプ)前米国大統領も支援しており、トランプ氏はFacebookをはじめとするテック企業のコンテンツ監視ポリシーを再三攻撃していた。

さらに重要なことに、右寄りの米国政界にとってFacebookをはじめとする巨大テック企業は、本質的に彼らの政治的観点に反する偏見をもっていると見えている。実際Facebookは、保守的、反動的人物ちに特別な機会を与えるために自らの規約を曲げたが、そのことは証拠とともに知れ渡った。

関連記事:フェイスブックとSpotifyが時間外取引で叩かれている理由

政治的な部分ばかり書いているのは無作法ぶっているからではない。ティール氏退任に関する初期の記事によると、彼の意思はより政治的になるためだという。New York Times(ニューヨーク・タイムズ紙)によると、ティール氏はMetaの役員会を去った後「11月の中間選挙に関与することに集中したい」からであり、Bloomberg(ブルームバーグ)は、ティール氏が「ドナルド・トランプ前大統領の2022年選挙運動に対する政治的支援を強化する予定」だと書いている。

いつかティール氏は、巨大テック企業のために働くか、巨大テックを攻撃する候補者を資金援助するかを選ばなくてはならなかった。彼はすでに裕福なので、役員の椅子を維持するより後者を選ぶことはさほど難しくなかっただろう。

いずれにせよ、今回の動きはFacebook経営陣の布陣を大きく変えるものであり、重要な出来事だ。a16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)の共同ファウンダーであるMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏をはじめ、Dropbox(ドロップボックス)、DoorDash(ドアダッシュ)などのCEOは取締役会に残る。

Facebook株は、通常取引で5%強値を下げたが、時間外取引では概ね変わっていない。

画像クレジット:Kiyoshi Ota/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

原文へ

(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。