定額制ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」などを展開するエアークローゼットは11月30日、ジャフコやホワイト急便を展開する中園ホールディングスなど複数の投資家を引受先とする第三者割当増資により、9.5億円の資金調達を実施したことを明らかにした。
今回の資金調達を踏まえてエアークローゼットが取り組むのは、AIの導入や蓄積してきたデータの活用だ。同社の強みでもある「プロのスタイリストによるスタイリング」をAIで補助し、選定業務の効率化を進める。加えてデータサイエンスへの投資も強化することで、ユーザーの選好情報や洋服に対するフィードバック情報などの独自データを分析。サービス基盤の拡充を目指す。
エアークローゼットの主力サービスであるairClosetは、2015年2月のサービス開始から2年9ヶ月で会員数14万人を突破。300ブランド、10万点以上にのぼる洋服の中から、スタイリストがユーザーにあったコーディネートを提案する。独自開発したスタイリング提供システムは2017年2月に特許も取得した。
また2016年10月にはスタイリストのパーソナルスタイリングを実店舗で楽しめる「airCloset×ABLE」を表参道にオープン。2017年7月にはスタイリストが選定した洋服が自宅に届き、気に入ったアイテムを購入できる「pickss」を始めるなど、「パーソナルスタイリング」の軸で事業の幅を広げている。
エアークローゼットは2016年1月にジャフコ、中園ホールディングス、寺田倉庫、セゾン・ベンチャーズらから約10億円規模の資金調達を行っていたが、今回はそれに続くラウンド。なお2015年4月にも約1億円の資金を調達している。
これまで同社はスタイリング提供システムの開発や洋服の調達、独自の管理・物流オペレーション構築への投資によってサービス基盤の整備に力を入れてきた。今後は蓄積したデータやパーソナルスタイリングのノウハウを活用しるフェーズへ突入し、スタイリング精度の向上のみならずairCloset全体のUX向上に取り組む。