鏡の前に立つだけでプロに遠隔ファッション相談、エアークロゼットがJR東日本と協働

定額制ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」などを展開するエアークローゼットは3月8日、JR東日本グループのスタートアップ支援会社であるJR東日本スタートアップと共同で、遠隔パーソナルスタイリングサービスの実証実験を開始する。

この取り組みにおいて、エアークローゼットはJR東日本の駅構内に本サービス専用のスペースを設置。この会場には、2017年設立のスタートアップであるミラーロイドと同社が共同開発した「パーソナルスタイリング専用のスマートミラー」が設置されている。

ユーザーはこのスマートミラーの前に立つだけで、遠隔地にいるスタイリストとリアルタイムで会話でき、そのユーザーに合ったコーディネートの相談や、ファッションチェックを受けることができる。また、会場にはタブレット端末も用意されていて、その端末でファッション診断を受ければ、その結果を基にしたスタイリング提案も受けることができる。この取り組みは、3月9日と10日にJR長野駅で、そしてJR品川駅で3月18日〜21日まで開催されている。

エアークローゼットはこれまで、ユーザーに対してパーソナライズされたスタイリング提案をし、定額制でその人に合った服を貸し出すオンラインサービスのairClosetを提供してきた。また、2016年にはユーザーとオフラインの接点を持つために実店舗の「airCloset×ABLE(エアークローゼットエイブル)」をオープン。その他にも百貨店や商業施設との共同の取り組みなどを通して、ユーザーとの“リアルな接点”を増やしてきた。

今回の取り組みもその1つで、同社は今回のような駅構内だけでなく、公共施設やコンビニなどのチェーンストアとの協業によってオフラインの接点を増やしていくという。

エアーからシェアへairClosetがアパレル破棄問題に真剣に向き合う

エアークローゼットは12月13日、着なくなった古着をシェアリングできるサービス「shareCloset(シェアクローゼット)」を12月14日より開始することを発表した。

ユーザーから着なくなった洋服を回収し、同社の検品技術や衣類ごとに最適なクリーニング方法などを駆使して再生したものを、希望者にシェアリングする(貸し出す)という仕組みだ。

古着の劣化度合いでシェアリングが難しい場合や、ユーザーが希望した場合は、リサイクルが選べるのも特徴。リサイクルされる衣料は、衣類やプラスチックなどのリサイクル開発の事業を展開する日本環境設計の「BRING(ブリング)」と呼ばれるサービスにより、再生資源として別の用途に利用できるようになる。

ユーザーだけでなくアパレル各社をパートナー企業としてサービスを推進する計画で、shareClosetを利用することで各社は年間30億着以上といわれる衣類の廃棄問題の解決策と活用できるとしている。第1弾パートナー企業としてすでにフランドルが決定しており、12月14日~31日まで、フランドルブランドの洋服を対象店舗に持参すると、合計5000円以上の新しい洋服の購入に使える1080円の特別クーポンをプレゼントするキャンペーンを実施する。

対象店舗は、東京と大阪にある「INED」「ef-de」「7-IDconcept.」などの計6店舗。対象の洋服や店舗の詳細については、同社のウェブサイトを参照してほしい。

エアークローゼット代表取締役社長/CEOの天沼 聰氏は「消費者様のご反応やオペレーションの確認を行い、今後より大きな取り組みとなるよう改善していきたいと思います。今後この『shareCloset』を通して、お洋服がムダなく活用される社会づくりに貢献できたら幸いです」とのこと。

ファッションレンタルのエアークローゼットが9.5億円調達、AIやデータ活用強化でサービス拡充へ

定額制ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」などを展開するエアークローゼットは11月30日、ジャフコやホワイト急便を展開する中園ホールディングスなど複数の投資家を引受先とする第三者割当増資により、9.5億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回の資金調達を踏まえてエアークローゼットが取り組むのは、AIの導入や蓄積してきたデータの活用だ。同社の強みでもある「プロのスタイリストによるスタイリング」をAIで補助し、選定業務の効率化を進める。加えてデータサイエンスへの投資も強化することで、ユーザーの選好情報や洋服に対するフィードバック情報などの独自データを分析。サービス基盤の拡充を目指す。

エアークローゼットの主力サービスであるairClosetは、2015年2月のサービス開始から2年9ヶ月で会員数14万人を突破。300ブランド、10万点以上にのぼる洋服の中から、スタイリストがユーザーにあったコーディネートを提案する。独自開発したスタイリング提供システムは2017年2月に特許も取得した。

また2016年10月にはスタイリストのパーソナルスタイリングを実店舗で楽しめる「airCloset×ABLE」を表参道にオープン。2017年7月にはスタイリストが選定した洋服が自宅に届き、気に入ったアイテムを購入できる「pickss」を始めるなど、「パーソナルスタイリング」の軸で事業の幅を広げている。

エアークローゼットは2016年1月にジャフコ、中園ホールディングス、寺田倉庫、セゾン・ベンチャーズらから約10億円規模の資金調達を行っていたが、今回はそれに続くラウンド。なお2015年4月にも約1億円の資金を調達している。

これまで同社はスタイリング提供システムの開発や洋服の調達、独自の管理・物流オペレーション構築への投資によってサービス基盤の整備に力を入れてきた。今後は蓄積したデータやパーソナルスタイリングのノウハウを活用しるフェーズへ突入し、スタイリング精度の向上のみならずairCloset全体のUX向上に取り組む。