英国の競争・市場庁(CMA)の新たな介入を受けて、Facebook(フェイスブック)は同社のプラットフォームで偽のレビューを売買していた1万6000のグループを削除した、とCMAが現地時間4月9日明らかにした。
CMAは2018年にこの問題の調査を開始して以来、偽レビューを売るマーケットプレイスを拡大する場所として同プラットフォームが使われるのを防ぐようFacebookに求めてきた。2019年には偽レビューのセラーに対して行動を取るようeBayとFacebookに圧力をかけている。
Facebookが所有するInstagramもまた偽レビュー売買のハブとなっていたことが判明し、当局からさらに圧力をかけられた両社は2020年、狡猾な取引に一層取り組むことを約束した。
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CMAによる直近の介入は2020年のものよりもかなりのものだったようだ。Facebookは前回、188のグループを削除し、ユーザー24人のアカウントを使えないようにした。ただし、Facebookが桁違いの数のグループを削除した今回、いくつのアカウントを禁止そして(あるいは)一時停止としたのかは明らかではない(TechCrunchは問い合わせている)。
【更新】規制当局はミスリードするレビュー、あるいは偽のレビューを取引する個人よりグループの除外に注力しているとTechCrunchは理解している。禁止あるいは一時停止となったユーザーは新しいプロフィールを作成できるが、偽レビューを扱うグループの排除はそうした活動の抑制により効果的な方法だとみられているためだ。
FacebookにはTechCrunchから質問を送ったが、同社は質問にまともに答えず、以下のような声明を送ってきた。
当社はこの問題を解決するために広範囲にわたってCMAと取り組んできました。偽レビューの提供や取引を含め、詐欺や不正行為は当社のプラットフォームでは許されません。当社の安全・セキュリティのチームはこうした行為の防止に引き続き取り組んでいます。
CMAが偽レビュー取引の問題を提起して以来、Facebookはプラットフォーム上で展開されているそうした行為の一掃に十分に取り組んでいないと繰り返し批判されてきた。
規制当局は本日、Facebookが「以前の約束を果たすためにプラットフォーム上の偽レビューあるいはミスリードレビューの取引を特定、排除、そして予防する」のに使っているシステムにさらに変更を加えたと述べた。
Facebookが偽レビューの取引に対する取り組みを強化するのになぜ1年以上も、そして注目を浴びる介入を何回も要したのかは不明だ。しかし同社は、新型コロナウイルスパンデミックとそれによる影響(在宅勤務など)でこの問題に取り組むのに利用できるリソースに負荷がかかっていていた、と示唆した(Facebookの年間売上高は2020年に増加したが、経費も同様だった)。
CMAによると、Facebookが偽レビュー対策でシステムに加えた変更には以下のものが含まれる。
- 偽レビューあるいはミスリードレビューを宣伝、促進、保持するFacebookグループやInstagramプロフィールを繰り返し作るユーザーの使用を一時停止あるいは禁止する
- 偽レビューのコンテンツの検知・削除を向上させる新たな自動プロセスを導入する
- FacebookとInstagram上の偽レビューやミスリードレビューのグループやプロフィールを探すための検索ツールを使用しづらくする
- こうした変更が継続して効果を上げ、再発を防いでいることを確認する専用のプロセスを設ける
そしてまたもや、Facebookがなぜ繰り返し不正行為を行っているユーザーを一時停止にしたり禁止したりしてこなかったのかは不明だ。少なくとも、最低限のことで逃げ切るということでなければ、本当に問題を解決するために実際に誠実な行動を取っていなかったかのようだ。
声明文でのコメントで、CMAのCEOであるAndrea Coscelli(アンドリア・コシェリ)氏は次のように述べて本質的な問題を指摘した。「Facebookはプラットフォーム上のそうしたコンテンツの取引を停止するためにできるあらゆることを行う義務があります、我々が再度調査した後、同社は大きな変更を加えました。しかしこうした問題を解決するために1年以上も要したのは残念です」。
「我々は今後もInstagramも含め、Facebookを注視し続けます。同社が約束を果たしていないことが認められた場合、躊躇せずさらなる行動を取ります」とコシェリ氏は付け加えた。
偽レビューを取引している英国のグループをFacebookのプラットフォームで検索すると、2019年と2020年にTechCrunchが同様にチェックしたときよりも明らかに疑わしい検索結果は減っているようだ。ただし検索結果には数多くのプライベートグループが含まれていて、どのコンテンツがメンバーからの勧誘なのか、すぐには確かめられなかった。
TechCrunchはまた、フランスやスペインのような他の欧州マーケット向けのAmazonレビューを提供している数多くのFacebookグループも発見した(とあるグループはAmazon Spainをターゲットとし、レビューに対しPayPalで「料金」を提供する人物をTechCrunchは発見した)。こうしたことからするに、Facebookは英国よりも当局からの介入が少ないマーケットのユーザーによって取引されている偽レビューの対策には英国と同じレベルの注意を払っていないようだ。
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タグ:Facebook、CMA / 英競争・市場庁、イギリス、SNS
画像クレジット:Adam Berry / Getty Images
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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi)