台湾のスマートフォンメーカー大手であるFoxconn(フォックスコン)と、タイの国営石油会社PTT PLCが、タイ国内での電気自動車(EV)製造施設の開業に向けた合意を進めていることが明らかになった。この施設では、2023年までに車両の出荷を開始する予定だ。これまでFoxconnは、2022年にはタイと米国の両方に工場を建設する計画を発表していた。
6月にFoxconnとPTTは、EV生産で協力する覚書交わし、PTTが60%、Foxconnが残りの40%を保有する合弁会社を設立することとなった。タイ工場の初期生産能力は約5万台だが、フォックスコンはそれを2030年までには3倍に増やすとしている。Foxconnは、このタイ工場によって正式に自動車メーカーとしての地位を確立することになるが、同時にEVメーカーであるFIsker(フィスカー)と共同で米国にも工場を建設していて、こちらも2023年の生産開始を目指している。両社は、5月に「Project PEAR」と呼ばれる共同契約を締結した。
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データと分析のコンサルティング会社であるGlobalData(グローバルデータ)のシニアオートモーティブアナリストであるBakar Sadik Agwan(バカール・サディク・アグワン)氏は「タイはEVの需給面ではかなり新しい国であり、生産しているメーカーも限られています」と述べている。「タイは、他の市場と比較して、自動車製造に適した政策と伝統を持っていて、Foxconnにとって大きな価値があります。また、中国ではByton(バイトン)と製造提携していますが、現在は保留になっていると言われています。中国は最大のEV市場ではありますが、EV市場が細分化されているために生産能力過剰の問題を抱えており、多くの自動車メーカーが十分なマージンを得ることができない状況になっています」。
タイ政府がFoxconnを支持しているのは、将来的にそれを「EVハブ」として現地生産を奨励することで、2030年までに総生産量に占めるEVのシェアを30%にまで高めたいと考えているからだ。
画像クレジット:SAM YEH/AFP/Getty Images
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(文: Rebecca Bellan、翻訳:sako)