フォードが新型コロナ症状のある労働者に対してPCR検査を実施、工場再開計画の一環として

フォードは米国時間5月16日、主要事業を展開する4つの都市圏での今月の工場再開に向けて準備を進める中で、新型コロナウイルス(COVID-19)の疑いのある症状を持つ、時間給、月給従業員に対して検査を行うと発表した。

5月18日以降北米の工場で、生産と操業の一部を再開する予定だ。工場労働者のほかにも、車両のテストや設計など、リモートで行うことができない仕事を行う約1万2000人の従業員も呼び戻す。なお、同社の北米部品流通センターは、5月11日に再開済みだ。

まず、ウイルス感染を識別するためにPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査を行うと発表している。PCR検査はウイルスRNAの存在を検知するためのものであり、身体の免疫応答である抗体の存在を調べるためのものではない。

同社は、テストを実施するために各地の保健機関と契約した。フォードの検査に協力するのは、ミシガン州南東部にあるBeaumont Health(バーモントヘルス)病院、ケンタッキー州西部ルイビルにあるルイビル大学保健機関、ミズーリ州西部カンザスシティ地域のLiberty(リバティ)病院、イリノイ州シカゴ地域のシカゴ大学医療センターならびにシカゴ大学Medicine-Ingalls(メディシン=インガルス)記念病院。同社は、ミシガン南東部、ルイビル、カンザスシティー、そしてシカゴに、合わせて7万2000人を超える従業員を雇用している。

フォードのメディカルディレクターを務めるWalter Talamonti(ウォルター・タラモンティ)博士によると、この契約によって、フォードは症状が疑われる従業員を検査し、24時間以内に結果を出すことを目指せるようになる。検査結果は同時にフォードの医師と共有され、感染した労働者と密接に接触した可能性のある他の従業員を特定するのに役立てられる。それらの従業員は、14日間の自己隔離を求められる。

フォードCTOのKen Washington (ケン・ワシントン)氏は声明で、同社は検査の拡大に取り組んでいると語った。同氏はまた、フォードは従業員のために将来的には自主的な抗体検査も検討していると付け加えた。

同社は、工場での生産が再開された際に進めるべき手順について説明した業務再開手順書を5月1日にリリースした。従業員は毎日自己診断による健康診断を行い、フォードの作業場に到着したら体温を測定する必要がある。フェイスマスクの着用も義務付けられる。仕事上対人距離が十分とれない場合には、サイドシールドまたはフェイスシールド付きの保護メガネの装着が必要とされる。

画像クレジット: Ford

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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