フォードとリビアンがEVの共同開発計画を中止

Ford(フォード)とRivian(リビアン)が、EV(電気自動車)を共同開発する計画を断念した。Automotive Newsのインタビューで、フォードのCEOである Jim Farley(ジム・ファーリー)氏は、2023年末までに年間60万台の電気自動車を生産するという目標にフォード単独で取り組むと語っている。

フォードがRivianに5億ドル(約570億円)の投資をした2019年には、両社はRivianの「スケートボード」パワートレインを利用したフォードブランドのEVを共同で生産すると発表していた。だが2020年初頭には、パンデミックを理由にリンカーンブランドのEV開発を中止していた。当時は、Rivianの技術をベースにした「別の車両」の開発を進める予定だと語っていた。現在では、そのプロジェクトも進まないこととなった。

ファーリー氏はAutomotive Newsに対し「すでに私たちは電気自動車の分野で勝つことができるという自信を深めています」と語っている。「私たちの現在の状況と元々投資を行ったときの状況を比べてみると、私たちの能力やブランドの方向性などの多くの点で変化がありました。そし私たちにとっては取り組むべきことがはっきりとしてきたのです」。

ファーリー氏によると、フォードとRivianがプロジェクトを進めないことを決めた理由の1つは、両社のハードとソフトを組み合わせる作業が複雑だったからだという。今回の決定が両社の関係に影響を与えることはないとしている。

Rivianの広報担当者は「フォードが独自のEV戦略を拡大する一方で、Rivianの車両に対する需要も高まったため、お互いに独自のプロジェクトと出荷に集中することを決定しました」と述べている。「フォードとの関係は私たちの旅の重要な一部ですし、フォードは電動化された未来への共通の道を歩むための投資家であり味方であり続けます」。

編集部注:本記事の初出はEngadget

画像クレジット:Kirsten Korosec

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(文: Igor Bonifacic、翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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