民間宇宙航空企業のBlue Origin(ブルーオリジン)は、2021年の最初のミッションを開始し、西テキサスで「New Shepard(ニューシェパード)」ロケットを35万フィート(約106km)強の中高度まで打ち上げた。今回使用したブースターはこれが初飛行であり、ロケットに搭載されたカプセルに装備されている新しい乗員の安全性や制御、そして快適性のための各システムも、初めて飛行中にテストされた。また、「Mannequin Skywalker(マネキン・スカイウォーカー)」と呼ばれる実際の人間と同サイズのテスト用ダミーも搭乗しており、飛行中と着陸中の情報を記録していた。
ストリーミング動画と同社からのコメントによると、今回のテストは、打ち上げからブースター分離、着陸燃焼の制御、着陸、そして乗員カプセルがパラシュートを使って地球の大地に帰還するまで、すべて上手くいったようだ。このミッションでは実際に人間が搭乗していたわけではないが、代わりに世界中の子供たちから寄せられた5万枚の絵葉書が積まれていた。公式に(カーマン・ラインを超えて)宇宙に行ったこれらの絵葉書は、ブルーオリジンの非営利団体「Club for the Future(未来のためのクラブ)」を通じて子供たちに返却される。
今回のミッションは、実際にブルーオリジンが民間人を乗せた準軌道宇宙飛行の商用化を開始した際にどうなるかを示すためのものであり、それがいつ実現するかというタイムラインはまだ決まっていない。今回の打ち上げでは、乗員に重要なミッション中の情報を伝える警報システムや、無重力空間を飛行中に乗員を保護する新しい壁の内張、乗船中の快適性を高める騒音や振動の減衰などがテストされた。また、このカプセルには、飛行中にカプセル内の空気を乗員にとって安全に保つための、二酸化炭素吸収装置も搭載されていた。
カテゴリー:宇宙
タグ:Blue Origin、民間宇宙飛行、ロケット、New Shepard
画像クレジット:Blue Origin
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(翻訳:TechCrunch Japan)